静岡市議会 > 2022-02-06 >
令和4年2月定例会(第6日目) 名簿
令和4年2月定例会(第6日目) 本文

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  1. 静岡市議会 2022-02-06
    令和4年2月定例会(第6日目) 本文


    取得元: 静岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1         午前10時開議 ◯議長(鈴木和彦君) これより本日の会議を開きます。    ─────────────────── 2 ◯議長(鈴木和彦君) 本日の議事日程は、既にお手元に配布したとおりであります。    ───────────────────   日程第1 議案第26号 令和4年度静岡市一    般会計予算 外44件(総括質問) 3 ◯議長(鈴木和彦君) 日程第1、議案第26号令和4年度静岡市一般会計予算から日程第45、一般質問までを一括議題といたします。  昨日に引き続き総括質問を行います。  順次発言を許します。  初めに、山梨 渉君。   〔山梨 渉君登壇〕 4 ◯山梨 渉君 それでは、通告に従いまして質問いたします。  大項目1、子育て・教育について伺います。  昨日、我が会派公明党、長島議員の代表質問において、子育て・教育について重点的に質問させていただいたところではありますが、子育て・教育の重要性に鑑み、総合計画の策定に向け、さらなる質問を進めていきたいと思います。  公明党は、子供の幸せや子育ての安心が確保される社会こそ市民全てに優しい社会であるとの考え方に立ち、子育て・教育を社会の中心軸に位置づけ、社会全体で支援するシステムを構築するべきと訴えてまいりました。  明日を担う子供たちの健やかな成長のため、子供優先のチャイルドファースト社会の構築を目指しております。  初めに、子育て政策についてです。  先日、市議会協議会において、第4次静岡市総合計画の骨子案が示されました。重点目標、人口活力を高め、まちと暮らしを豊かにするを掲げ、都市活動の最も重要な基盤である定住人口の減少を最小限に抑えつつ、交流人口、関係人口の創出にも着目して取組を進め、持続的な経済成長と暮らしの充実を図っていくとうたわれております。  人口減少、少子高齢化時代の中、財政の硬直化が進み、厳しい財政状況は当面続いていくと考えられ、未来に向けて持続可能な都市経営が求められる中、政策の選択と集中が必要です。
     4次総骨子案を拝見すると、子育て政策は新たに示された7つの柱のうち、学びの文化の地域づくりや安心・安全のまちの推進などに散見されるものの、優先順位が低い印象、弱い印象を持ちました。  言うまでもなく、子育て政策には取り組むべき点が幾つもあります。例えば、平成30年度に行ったニーズ調査によれば、理想の子供の数の問いに、2人、3人を望む方が多いのに対し、実際の子供の数は1人、2人といった現状で、さらなる取組が求められます。  どのようにして結婚を望む若者にとって暮らしやすいまちにしていくのか、どのようにして夢を持って子供を産みやすいまちにしていくのか、育てやすいまちにするのか、若者そして子育て世代に安心感を与えるような明確なビジョン、分かりやすい政策の発信が必要であると考えます。  公明党は、現場の声を政策に生かすため、1月から全国でアンケート運動を展開いたしました。  子育て応援のアンケートでは、まだ集計前であるため、正確なデータはございませんが、多くの方から子育て・教育に係る費用の軽減を求める声があり、時短勤務や育児休業を取得しやすい環境整備を求める声、また、自宅近くで安心して遊べる公園を増やしてほしい、屋内遊戯施設を設置してほしいなど、貴重な声を寄せていただきました。  子供を産み育てる親に対する支援が中心の考えから視点を移し、生まれ出る命、生まれた子供たちに対する支援を中心にしていくことが重要です。  生まれ育つ主役は子供たちであり、育つ環境がどのようなものであれ、公平に社会からの支援を受ける権利があるからです。  公明党静岡市議会は、誰もが子供を安心して産み育て、全ての子供が十分な教育が受けられる総合的な計画を進め、子供の幸せを最優先とする日本一の子育て都市を目指すべきと、総合計画策定に向けた提言を行ったところです。  2点伺います。  初めに、第3次総合計画における子育て政策について、どう総括しているか。  次に、第3次総合計画の総括を踏まえて、第4次総合計画では子育て政策をどう位置づけ取り組んでいこうとしているのか、伺います。  続いて、子どもの権利について伺ってまいります。  公明党は、さきの衆院選でこども家庭庁創設子ども基本法制定を強く訴えてまいりました。  先週、こども家庭庁の創設が閣議決定され、2023年4月のスタートを目指すこととなりました。  一方、子ども基本法は、制定に向け現在機運が高まっており、議論が進められております。この子ども基本法は、1989年に国連で採択された子供の基本的人権を保障する子どもの権利条約の国内法に当たります。1994年の日本の批准後、国内法の整備が長年求められてきており、有識者からも今回の子ども基本法成立に期待の声が寄せられているところであります。  「子供はだんだん人間になるのではなく、既に人間である。」これは子どもの権利条約の精神的な父と言われるヤヌシュ・コルチャックの言葉です。子供は未来の担い手と言われます。  しかし、それだけを強調すると現在の視点が抜けがちになってしまいます。子供は社会の宝でありますが、同時に家庭や地域、社会の一員でもあります。発達の途上にある子供には、しつけ、教育も必要ですが、大人から子供という一方的な関係ではなく、子供を一個の人格として尊重し、子供の意見や思いを受け止めていく仕組みを築いていかなければなりません。  この子どもの権利条約には4つの一般原則があります。  1つ目に、全ての子供の命が守られ、持って生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう医療、教育、生活への支援などを受けることが保障される生命、生存、発達の権利、2つ目に、子供に関することが決められ、行われるときは、その子供にとって最もよいことは何かを第一に考える最善の利益、3つ目に、子供は自分に関係のある事柄について自由に意見を表すことができ、大人はその意見を子供の発達に応じて十分に考慮する意見の尊重、4つ目に、全ての子供は、子供自身や親の人種や国籍、性、意見、障害、経済状況などどんな理由でも差別されず、条約の定める全ての権利が保障される差別の禁止であります。  近年、子供を取り巻く環境は厳しさを増しております。少子化が進み、子供の総数が減少している日本ですが、2020年度、小中学生の不登校は19万人以上となり、過去最多を更新、国立成育医療センターの調査では、38%の子供が学校に行きたくないことがあると回答しています。  さらに、自殺した児童や生徒は初めて全国で400人を超え、児童虐待の相談対応件数も20万件超えと過去最多。今年1月、岡山県で長時間鍋の中で立たされ、虐待を受け亡くなった女児の事件など、悲惨な虐待事件が後を絶ちません。  長期化するコロナ禍の中、子供に十分な支援が行き届かなかったり、学習や活動機会が制限され、不安やストレスによる影響も懸念されます。  こうしたことからも、子ども基本法の早期成立とともに、本市における取組も一層求められます。本市の困難を抱える子供の現状について伺います。  小学校、中学校における不登校児童生徒数、いじめの認知件数、子ども若者相談センターにおける相談件数、児童相談所における養護相談対応件数及び虐待相談対応件数、要保護児童対策地域協議会で検討を行った児童数のそれぞれ推移、また、傾向はどのようか、伺います。  子どもの権利条約では、適当かつ積極的な方法で、この条約の原則及び規定を成人及び児童のいずれにも広く知らせることと規定しています。子供たちに自分たちの持つ権利を伝え、どのように主体性を育んでいくのか、また、広く市民に子供の権利について示し啓蒙していくのかは大変重要な点であります。  2019年のセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンのアンケート調査によれば、条約を内容までよく知っていると答えたのは、子供8.9%、大人2.2%に過ぎず、聞いたことがないという回答は子供31.5%、大人42.9%との結果でありました。子供に関わる専門職であっても、認識について課題があるとの指摘もあります。  本市は、子どもの権利条約をどのように周知してきたのか、伺います。  本市は、子どもの権利条約の理念を踏まえ、静岡市は子供を大切にしますとの基本理念を掲げた静岡市子ども・子育て支援プラン、そして、その理念を受け継ぐ静岡市子ども・子育て・若者プランが策定されております。  一部の局だけでなく、全市的にあらゆる施策の中で子供の権利を守る取組をより一層進めていくことが求められます。  2016年の児童福祉法改正で、子どもの権利条約の内容が反映され、児童の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮されると明記されました。特に子供の意見表明権については、具体的な仕組みづくりが必要であることから、各自治体で模索しながら様々な取組が進められております。  市長は、本会議で、我が国も既に批准している児童の権利に関する条約、いわゆる子どもの権利条約の下、全ての子供の生きる権利、育つ権利、守られる権利、そして、参加する権利を本市においても最大限尊重すると答弁されました。  今後について伺っていきます。  本市は、子どもの権利条約の理念をどのように施策に反映していくのか、伺いまして、1回目の質問といたします。 5 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、子育て・教育についてのうち、子育て政策についての2つの御質問にお答えいたします。  まず、3次総における子育て政策についてどう総括しているかとのお尋ねですが、私は、まちづくりは人づくりという考え方の下、3次総において、静岡の未来を担う子供たちに質の高い教育と保育を総合的に提供できる環境に着々と取り組んできたというのは、議員と共に歩んできた7年間ですので、御承知のことと存じます。  3次総がスタートした平成27年度は、全国の政令指定都市が二の足を踏む中、全ての市立幼稚園・保育園を認定こども園に移行させるとともに、民間事業者の認定こども園への移行を推進していくなど、幼児期の教育・保育の充実と保育所の待機児童の解消を図った結果、平成30年以降、昨日も申し上げましたが、年度当初での待機児童ゼロを4年連続で達成することができました。  さらに、これも御党御要望の放課後児童クラブの開設時間延長を成し遂げ、子育てと仕事が両立できる環境を整えるとともに、児童クラブの増設に集中的に取り組み、量的な拡大を図ったことによって、待機児童を大幅に減少することができました。  また、小さなお子さんを抱える母親との対話を通じて発案した本市独自の取組であるママケアデイサービスは、子育てにいそしむお母さんにとって癒やしの場を提供する事業として、多くの利用者から大変好評を博しております。  このように、子供の育ちと保護者の子育てを支える政策を推進したことによって、静岡市が子育てしやすいまちであるという評価を得ているという実感がある一方で、質的な向上ですね、量的な拡大ではなくて質的な向上、子育てを取り巻く環境が複雑、多様化する中で、従前からの事業の質を高めながら、全ての子供たちの育ちにつなげる支援を確実に届けていくことが、今後の課題であるということを認識しております。  そこで、2つ目の3次総の総括を踏まえ、4次総では子育て政策をどう位置づけ、取り組んでいこうとしているのかとのお尋ね、これが大事だと思います。  そこで、4次総における子育て政策では、この政策の中心に、全ての子供が安全なこのまちで、安心して育ち、そして、暮らしていける環境を創造し、自らの置かれた状況にかかわらず、夢や希望を持って、心身ともに健やかに育つことができるような、困難を抱えた子供たちを公民連携で支えていけるような政策、質的な向上、子育て政策を立案したいと思っています。  そのために、次の3つの取組を重視していこうと目下考えております。  1つ目として、障害を有する子供や医療的ケア児など多様な背景を有する子供たちを受入れて、共に成長を促していくインクルーシブ教育の推進です。  まずは、医療的ケア児について、現在行っている市立こども園私立保育園等での取組に加え、令和4年度からは、教育局と子ども未来局が連携して、放課後児童クラブで受入れを開始していくことや、私立幼稚園の受入れ経費を助成することによって、多くの教育・保育施設で受入れられる体制を整備してまいります。  2つ目は、日常的に家族の介護や家事を担い、心理的、身体的な不安を抱える議員御指摘のヤングケアラーへの支援であります。  子ども未来局と福祉、介護、医療、教育など多くの関係機関が連携しながら、令和4年度には静岡市独自のガイドラインを作成して、適切な支援につなげていき、困難な立場に置かれた子供の視点に立った対応が図られるよう、新たに取り組んでまいります。  3つ目としては、子供を見守り、子供が安心して過ごせる居場所づくりであります。  令和4年度には子ども食堂などに関する意識調査を行って、子ども食堂の認知度や、子供自身が求めているもの、親が期待していることなどを行政として把握して、子供の居場所に関する今後の在り方について地域のNPO団体などと連携を図りながら、子供の居場所づくりの新たな取組に発展できるよう取り組んでまいります。  これが4次総での考え方で、今策定中の事柄であります。  このような政策を推進することによって、全ての子供たちが輝ける、自分自身の未来が描けるような、誰一人取り残すことのない持続可能な都市の子育て環境としていきたいというふうに考えております。  議員のより一層の御協力、御支援をお願い申し上げます。  以下は局長及び統括監が答弁します。 6 ◯教育局長(青嶋浩義君) 小中学校における不登校の人数といじめの認知件数についてですが、まず、不登校の人数については、平成30年度が1,084人、令和元年度が1,177人、2年度が1,127人となっており、増加傾向が見え始めた平成27年度と比較すると、2年度は約1.5倍となりました。  不登校に至る要因としては、対人関係や学習面での悩み、不安、集団生活への不適応などがあると捉えております。  教育委員会では、不登校の子供の家庭に出向いて相談に当たる訪問教育相談員の配置や学校内で教室以外の居場所となるサポートルーム設置などの不登校対策を実施してきました。増加傾向にあった不登校の人数が令和2年度に減少に転じたのは、このような対策を実施してきた成果によるものと考えます。  次に、いじめの認知件数についてですが、平成30年度が1,760件、令和元年度が2,920件、2年度が2,508件となっています。平成30年度から令和元年度に大きく増加した要因は、全校で実施する年3回の悩み事調査において、子供が人間関係における悩みを有する場合も含め、いじめの可能性があるものとして対応したことによります。  また、2年度に減少した要因は、新型コロナウイルス感染症対策により、子供同士が直接関わる機会が減ったことや、子供のストレスに対してスクールカウンセラー等が早期に対応したことなどによるものと考えております。 7 ◯子ども未来局長(青野志能生君) 私からは、5つの御質問についてお答えいたします。  最初に、子ども若者相談センターにおける相談件数の推移、傾向についてですが、子ども若者相談センターでは、毎年、困難を抱えた若者や子供の保護者から多くの相談申込みがあり、過去3年間の推移は、平成30年度が501件、令和元年度が489件、2年度が435件となっております。  相談内容は、若者世代からは将来への不安、保護者からは子供の発達、性格、行動についての不安など多岐にわたりますが、いずれの年度も不登校に関する相談が最も多く、平成30年度が296件、令和元年度が361件、2年度が354件となっております。  傾向としては、相談件数は減少となっており、そのうち主な相談内容である不登校に関する相談については、令和2年度に減少に転じております。  次に、児童相談所における養護相談対応件数及び虐待相談対応件数の推移、傾向はどうかについてですが、養護相談全体のうち、虐待を除く相談は、何らかの事情により家庭で児童の養育ができないことから行われるもので、その対応件数は平成30年度が609件、令和元年度が633件、2年度が472件です。また、虐待相談対応件数は、平成30年度が618件、令和元年度が638件、2年度が699件と推移しております。  養護相談の内容は、各年度とも養育者の失踪、死亡、離婚、入院など児童本人以外の事由によるものであり、虐待相談の内容は、各年度とも心理的虐待が約5割から6割で、育児放棄などのネグレクト、身体的虐待がそれぞれ2割程度となっており、これは全国的な傾向と同様になります。  次に、推移の傾向を見ると、養護相談対応件数は令和2年度に大きく減少しておりますが、虐待相談対応件数は増加傾向にあり、各年度とも過去最多を更新しております。  虐待相談対応件数の増加は、児童相談所虐待対応ダイヤル189の認知度の向上や、児童虐待に対する社会全体の意識の高まりから増加しているものと考えております。  次に、要保護児童対策地域協議会で検討を行った児童数の推移や傾向はどうかについてですが、要保護児童対策地域協議会では、本市福祉事務所や医療機関、警察などの構成機関に関わる児童の相談案件を、必要に応じて協議会にケースとして提示し、関係機関で情報共有して検討することで、より適切な支援が行えるよう努めております。  まず、過去3年間の推移は、平成30年度が368件、令和元年度が576件、2年度が641件となっております。  検討したケースの内容は、いずれの年度も養育困難や養育不安によるものが全体の約6割を占めており、続いてネグレクト、身体的虐待、心理的虐待となっております。  また、推移の傾向としては、平成30年度に比べ、令和元年度以降の件数が大幅に増加しています。これは、平成30年12月に公表された本市の乳児死亡事例に関する外部有識者による検証結果の中で、要保護児童対策地域協議会における情報共有や連携の不足が指摘されたことを受け、各構成機関が他の機関に関わる可能性のある相談案件を積極的にケースとして提示するようになった結果であると考えております。  次に、子どもの権利条約についての2つの御質問のうち、まず、子どもの権利条約をどのように周知してきたのかについてですが、子ども・子育て・若者プランにおいて、子どもの権利条約における子供の4つの権利を守っていくことを策定の背景として掲げ、本市の子育て施策の推進を図っているように、子どもの権利条約を広く周知していくことは、子ども・子育て施策の実施のために必要なものと認識しております。  そのため、子育てに関する様々な情報を掲載しているしずおかし子育てハンドブックや市のウェブサイトに子どもの権利条約の概要を掲載しているほか、各区の子育て支援課にポスターを掲示するなどして、広く周知を図っております。  次に、子どもの権利条約の理念をどのように施策に反映していくのかについてですが、子ども・子育て・若者プランに基づく子ども・子育て施策は、子どもの権利条約で示す4つの権利のいずれかに関連したものになります。  例えば母子家庭等医療費助成子ども医療費助成など子供の健康を守っていく施策は、生きる権利に関連し、市立こども園で園児の主体性を促しながら、園児の育ちを見守っていく幼児教育・保育の実践は、育つ権利に関連します。  また、困難な立場に置かれた子供が家庭的な環境で育つことのできるための里親制度の推進は、守られる権利に関連し、高校生が地域の課題解決を模索しながら自分の意見を表明し、まちと自分のつながりを深めていく高校生まちづくりスクール事業は、参加する権利に関連します。  今後も、これらの子どもの権利条約の理念を背景としている子ども・子育て施策につきましては、より一層推進してまいります。   〔山梨 渉君登壇〕 8 ◯山梨 渉君 御答弁ありがとうございました。  それでは、質問を続けていきます。  それでは、テーマをがらっと変えまして、次に、大項目2、119番通報について伺ってまいります。  先頃、令和3年度の市民意識調査結果が公表されました。直近の3年間で救急車を呼んだことがあるかとの問いに対し、18.8%が「ある」との結果で、おおむね市民の5人に1人が救急車を要請したことになります。  救急車を呼んだ理由として、自身や家族などがけがや体調不良等で動くことができなかったためが61.1%を占めたことから、誰もが身近なところで突発的な対応を求められると、改めて認識させられます。  しかし、こうした場面で119番通報後、救急車が到着するまで、どのように適切な初期対応をしたらよいのか戸惑う人が多いのが実情であると思います。  今、スマートフォンを活用し、処置が必要な方や現場の様子をライブ映像で消防本部とやり取りする通報システムの導入が全国の自治体で進んでおります。  お手元の資料になります。  119番通報後、通報を受けた消防の指令員が必要だと判断した場合、通報者に撮影を依頼、その後、指令員が通報者の電話番号に映像伝送用のURLをショートメッセージで送信します。通報者がカメラ使用の承諾などをして最後にRECボタン押すだけで、現場の状況をライブ映像で伝えることができるといった流れになります。  指令員だけでなく、駆けつける救急隊にも映像が共有されることから、状況把握の向上にもメリットがあると考えられます。  また、通報者が人工呼吸などの応急処置方法が分からなくても、適切な処置の動画が指令員から送られてくるので、まるで専門家がすぐそばにいるかのような感覚で救急車を待つことが可能です。  通報する市民にとって、アプリをダウンロードする必要もなく、消防局としても低コストで導入、運用できることから、東京消防庁、大阪市消防局をはじめ、各自治体が導入、または検討しております。  本市の消防年報によると、救急車要請の119番通報の件数、令和2年3万1,074件のうち、携帯電話を使用した通報が1万4,241件で全体の45.8%、これは5年前の平成27年では35.2%となっており、携帯電話からの通報が増加していることから、この事業の効果も見込まれると思います。  救命率の向上に資することから、本市でも積極的に導入すべきと考えます。映像を活用した119番通報システムの導入についてどのように考えているのか、伺います。  次に、大項目3、キャンプ場について伺ってまいります。  近年、キャンプ人気の盛り上がりが続いております。自然の中でゆっくりと過ごすキャンプ。非日常の時間は癒やしを与えてくれ、あえて手間や時間をかける不便さが充実感を与えてくれます。  今、キャンプスタイルは多様化し、ファミリーキャンプはもちろんのこと、若者や女性のキャンパーも増加、1人でのんびりキャンプを楽しむソロキャンプが人気を集め、充実した施設で豪華なキャンプをするグランピングも注目されています。中にはおうちキャンプ、ベランピングなどコロナ禍で自宅にいながらキャンプの雰囲気を楽しむ方もいるそうであります。  日本オートキャンプ協会の調査によると、1年間に1回以上キャンプをした人の人数は、2019年860万人で7年連続増加しており、2020年はコロナ禍による緊急事態宣言発令のため、キャンプ場の臨時休業などが響いたものの、610万人と3割減にとどまったそうです。  今、国内旅行などが全体的に半減している大変厳しい状況の中で、3割減にとどまっているということは、キャンプへの注目度がいかに高いかを示しているとともに、このウィズコロナ時代でも3密になりにくいレジャーとして選ばれたとも考えられます。  こうした中、県内の人気キャンプ場は、首都圏をはじめ全国からキャンパーが押し寄せ、週末にもなると予約ができずキャンセル待ちの状態。平日や冬場でも多くの利用者でにぎわいを見せております。これは、オクシズを中心とした静岡市内のキャンプ場も同様の傾向があり、市内外のリピーターも多く、にぎわっております。  こうした機を捉え、キャンプ場を観光資源として磨き上げることで、オクシズの魅力をさらに発信し、中山間地振興へつなげていくことが求められます。  しかし、市のキャンプ施設を拝見すると、老朽化が進む施設もあり、現在のニーズに追いついていない状況が散見されます。女性や子供が使いやすい清潔なトイレなどの設備改修や、大型テントなどに対応したサイト改修など多くの課題があると感じております。  その1つに取り上げたいのが、予約方法についての課題です。今、インターネットで直接予約ができるキャンプ場が多いようですが、本市の施設では、まず、空き状況を確認後、ホームページから申請書をプリントアウトし、必要事項を記入し、切手を貼った返信用封筒を同封し郵送、後日、自宅へ許可書が届き、予約が完了するといった具合です。  キャンプは不便さを楽しむと言われますが、予約はスムーズにしたいものであります。まずは、市営キャンプ場をニーズに合った、より魅力あるキャンプ場にリニューアルしていく必要があると考えます。
     市が所管するキャンプ場などの各施設について、現状と課題をどう捉えているのか、今後、この課題に対してどのように取り組んでいくのか伺って、2回目の質問とします。 9 ◯消防局長(小長井善文君) 私からは、119番通報についての御質問にお答えいたします。  映像を活用した119番通報システムの導入についてですが、通報者の声による119番通報と比較し、映像のやり取りが加わることで、早急に応急処置が必要な救急事案では、通報者に応急手当の映像を送信し、的確な処置による救命率向上が見込まれます。  また、火災や交通事故などの災害では、リアルタイムな災害状況の映像を受信し、効率的な現場活動が可能となります。  このことから、映像を活用した119番通報システムの効果は、通報時に災害状況を正確に把握し、より迅速かつ的確な対応が可能となり、全ての災害に対して活用が期待でき、さらなる市民サービスの向上につながると認識しております。  一方、システムを活用するには、映像撮影中における通報者の安全確保及び通信料負担並びに撮影された個人情報の取扱いなど課題があると考えております。  今後、他都市の活用状況を調査するとともに、システム利用時の要件などを検証し、導入に向けて関係部局と調整を図り、検討を進めてまいります。 10 ◯観光交流文化局長(望月哲也君) キャンプ場に関する御質問にお答えします。  キャンプ場につきましては、近年、野外での活動は幅広い年代で人気が高まり、特にキャンプを行う人が増えていると認識しております。  観光交流文化局は、梅ケ島キャンプ場、玉川キャンプセンター、そして、興津川流域のキャンプに適した4か所をキャンプ適地として所管しております。  利用者数についてですが、梅ケ島キャンプ場は、令和2年度は4,502人で、元年度と比べて37人の増加でした。次に、玉川キャンプセンターは、令和2年度は設備改修による休館の影響を受け348人でした。キャンプ適地は、令和2年度は2万7,865人で、元年度と比べて8,441人の大幅増でした。  課題としましては、キャンプ場施設の老朽化です。また、キャンプ適地では、ごみの投棄などマナーが守られていない状況が見受けられます。  今後は、バンガローの屋根改修など必要な修繕を計画的に実施していくほか、キャンプ適地におきましては、引き続き職員によるパトロールや注意看板の設置などマナーの向上に向けた啓発を行ってまいります。 11 ◯農林水産統括監(稲葉 光君) 南アルプス井川オートキャンプ場及び清水森林公園黒川キャンプ場についてですが、まず、井川オートキャンプ場の令和2年度の利用者数は2,059人で、元年度と比べて868人増加しました。これは、近年のアウトドアブームに加え、3密を避け家族との時間を過ごせることや、1人で気軽に楽しめるキャンプ人気の高まりなどから、試験的に年間を通して開場したことなどによるものであると考えています。  一方、黒川キャンプ場は、平成29年度以降、年々増加傾向でしたが、令和2年度の利用者数は5,052人で、元年度と比べて3,218人減少しました。これは、利用者が密とならないよう利用可能なテント数を減らして運営したことが主な要因と考えています。  次に、課題ですが、近年のテントの大型化やソロキャンプ人気などに対応したサイト面積の設定及び利用者から要望の多いトイレの洋式化です。  今後は、利用状況や利用者の意見等を参考にしながら、見直しなどについて検討を進めてまいります。 12 ◯子ども未来局長(青野志能生君) 私からは、所管する浜石野外センターのキャンプ場についてお答えいたします。  青少年の育成を図る施設である浜石野外センターにおけるキャンプ利用についてですが、利用者数については、令和2年度は384人で、元年度と比べ315人減少いたしました。これは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、ゴールデンウイークを含む繁忙期に休所していたことが要因であると考えています。  一方、令和3年度については、12月末までの利用者が720人と過去3年の同時期利用者数を上回っており、コロナ禍においても回復傾向が見られています。  課題としては、トイレや給水設備をはじめとした施設全体の老朽化があり、今後は利用状況等を見ながら、必要な修繕を検討してまいります。   〔山梨 渉君登壇〕 13 ◯山梨 渉君 それでは、3回目は意見・要望になります。  初めに、映像を活用した119番通報システムの導入についてになります。  前向きに検討いただくと受け止めました。救命率向上のため、早期の導入をお願いいたします。  スマートフォンを活用したライブ映像でのやり取りは、他の部局の事業においても市民サービス向上のため、活用の幅が広がる可能性があると考えます。  非接触、遠隔でコミュニケーションを取ることができることから、コロナ禍の中、窓口業務、相談業務等で運用の導入、実証実験を行う自治体もあります。  こうしたデジタルサービスは、障害者の方にとっても使いやすい特性もあることから、今後、行政のデジタル化推進の中で検討いただきたいと思います。  続いて、キャンプ場についてです。  第4次総合計画の骨子案に、森林文化の地域づくりという内容が新たに加えられ、検討が進んでおります。  当局に伺うと、中身についてはまだまだこれからということでありました。オクシズの魅力を高め、中山間地振興を進める上で、このアウトドア観光の推進、キャンプ場のリニューアル整備を盛り込んでいただきたいと思います。  取組を進める上で、民間活力の導入、地域の特色を生かすことが必要かと思いますが、それを担当する所管課の在り方についても私は検討が必要かと思います。  今回、この質問に対し3人の局長、統括監から御答弁をいただきました。つまり、スポーツ振興課、中山間地振興課、青少年育成課がキャンプ場を所管しております。この政策資源の集約、業務の効率化の観点から、この所管課の在り方検討が必要かと思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。  最後に、子育て施策についてになります。  市長から御答弁いただきました。4次総では、インクルーシブ教育の推進、医療的ケア児、ヤングケアラー、また、居場所づくり、これについても、つまり困難を抱えた子供たちへの支援を中心にしていくという御答弁であったと思います。  誰ひとり取り残さないというSDGsの理念に沿った取組で、公明党静岡市議会の要望、提言と方向性を共にしていると感じました。  ただ、今後8年間の総合計画での内容として、子供たち、子育て世代に静岡市を選んでもらえるようなさらなる事業を盛り込む必要があると思います。ぜひこの子育て・教育を総合計画の柱に据えていただいて、より一層力を入れる必要があると思いますので、よろしくお願いします。  子供の権利についてになります。  子どもの権利条約で言う子供の年齢は18歳未満を指しておりますが、この4月より成人年齢が18歳に改められます。また、子供を懲戒することができるとした民法の規定が削除され、体罰の禁止、心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動を禁止するなど、子供を取り巻く法整備が進もうとしております。果たして大人は、また、市民はこの変化に十分対応できているのでしょうか。アップデートされているのでしょうか。  不登校児童生徒数や虐待相談件数について、本市も大変厳しい状況にあるとの御答弁でありましたが、改めて教員、相談員など最前線で取り組む方々の地道な取組に感謝するとともに、4次総では、さらなる人員の配置、予算が必要と考え、さらに踏み込んだ取組をしていく必要があると思います。  こども家庭庁のスタートや子ども基本法の成立など国の動向を注視しながらも、政令指定都市として先進的な取組を検討いただきたいと思います。特に子供の権利が守られているか、第三者によるチェック機能が必要だと言われております。具体的な検討をぜひともよろしくお願いいたします。  また、この4月から、男女共同参画課が男女共同参画・人権政策課になると伺いました。人権という名のつく初めての課じゃないかなと私は思いますが、局を超えて連携し、子供の権利について総合計画への反映も含め、検討をお願いしたいと思います。  今回、取上げさせていただいた子どもの権利条約、この誕生の背景には、子供を二度と戦争や紛争の犠牲者にしてはならないという反省に立ち、ヤヌシュ・コルチャック生誕100周年に当たる、1978年、ポーランド政府により草案が提出されたという経緯があります。ユダヤ系のポーランド人であったコルチャックは、小児科医で児童文学作家、そして、孤児院の院長として子供たちのため、そして、その権利のために捧げた生涯でありました。  1911年頃ワルシャワに2つの孤児院をつくり、子供の自主性を尊重する革新的な教育を行いました。その実践は30年もの間続けられました。  第2次世界大戦中、ナチスによってユダヤ人強制居住区ワルシャワ・ゲットーに移住させられ、その後、コルチャックと200人の孤児たちはトレブリンカ強制収容所へ送られることになりました。  そこは、収容所とは名ばかりの処刑場でした。送られる途中、教育者としてその功績が認められ、コルチャックは特赦を言い渡されましたが、それを断固拒否しました。子供たちと運命を共にし、強制収容所のガス室で虐殺されました。1942年8月のことであります。  今、ロシアによるウクライナ侵攻により、本日の報道でも、子供を含む2,000人以上の民間人の犠牲者が出ているとありました。避難先で涙を流す子供の姿を見て、コルチャックであれば今何を思うのでしょうか。  最後に、ロシアは軍事侵略を即時中止し、撤退すべきであると申し上げ、全ての質問を終わります。(拍手)    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 14 ◯議長(鈴木和彦君) 次に、児嶋喜彦君。   〔児嶋喜彦君登壇〕 15 ◯児嶋喜彦君 志政会の児嶋喜彦です。よろしくお願いします。  それでは、通告に従って質問させていただきます。  最初に、津波発生時の対応についてです。  江戸時代以降、静岡を襲う大地震は、1704年の宝永地震、1854年の嘉永地震があり、宝永地震と嘉永地震との間隔は150年、嘉永地震から150年後というと2004年であり、大地震が約150年周期とすれば、いつ宝永地震や嘉永地震級の大きな地震が来てもおかしくはありません。  2011年の東日本大震災では、東北地方の沿岸地域が大きな津波に襲われ、同じように沿岸地域であり、いつ大きな地震が起きてもおかしくない静岡市としては、津波発生時には人命を第一に、津波浸水想定区域に住む市民全員を安全な場所に避難させる必要があります。  津波発生時の避難場所として、津波避難タワーや津波避難ビルを設定していると聞いています。  そこで、質問です。  静岡市で設定している津波避難タワーと津波避難ビルの収容人数は、地域住民の人数を満たしているか、教えていただきたいと思います。  次に必要なのは、津波浸水想定区域に住む市民が、津波発生時に一人一人がどのような対応をすべきかしっかり認識しているかどうかです。  自分が住んでいる場所の想定津波浸水深さを把握し、大きな揺れがあった後に、自宅内の垂直避難なのか、指定された避難場所に避難するのか、事前に理解しておいた上で大地震発生後にすばやく行動する必要があります。  事前の理解や実際の行動を確認するのに必要なのは避難訓練です。今はコロナ禍で避難訓練を見送っているかと思いますが、コロナ禍前でも避難訓練に参加する市民は多くはなく、自身がどのような行動をすべきか理解できている人は少ないと思います。  どのような行動をすべきか理解していない人が多いと、地震発生後に少しでも遠いところに逃げようと車で移動する人が多くなったりして、ある地域ではそのような車で渋滞が発生し、逆に避難できなくなるケースがあったと聞いたことがあります。このような状態で大きな津波が押し寄せると、車ごと津波に流されて命を落とすことにつながります。  そこで、質問です。  津波浸水想定区域に住む市民に対し、津波の避難場所や避難方法をどのように周知しているか、教えていただきたいと思います。  次に、子育て支援について質問いたします。  日本全体の労働人口の減少、実質賃金の低下などを背景に、共働き世帯は1980年は35%であったのが、2010年には56%、2019年には68%と大幅に増加しており、共稼ぎ世帯では子供を預ける保育園やこども園が必須となります。  しかしながら、子供が病気になると、保育園やこども園では子供を預かってくれず、親が仕事を休んで子供の面倒を見る必要があります。  このように、子供が病気になった場合でも、子供を預かってくれる病児・病後児保育室が各自治体にあり、静岡市には各区1か所ずつあるようですが、恥ずかしながら、私自身、今まで病児・病後児保育室の存在を知らず、企業で10年ほど管理職をやっておりましたが、同僚から、今朝、子供が突然発熱し、保育園に預けることができないので、今日は休暇にさせてくださいと連絡があったときに、この病児・病後児保育室を紹介することはできませんでした。  ときには、男性社員から、今日は妻が休暇を取ることができないので、子供の面倒を見るのに休暇を取らせてくださいと連絡があったこともありました。  3世代同居の御家族であったり、どちらかの親が近くに住んでいれば、親に子供の面倒を見てもらうこともできますが、両方の親が県外、市外に住んでいる場合、やはりどちらかが仕事を休んで子供の面倒を見ないといけません。  しかしながら、重要な会議や出張など両親とも仕事を休みにくいケースもあり、シングルマザーやシングルファーザーであればなおさらです。  便利な行政サービスがあっても、周知されていなかったり、サービスが使いづらければ、必要な人に必要なサービスを提供することはできません。  そこで、質問です。  病児・病後児保育室の定員と受入れ状況はどのようになっているか。また、周知をどのように行っていくのか、教えていただきたいと思います。  1回目の質問は以上となります。 16 ◯危機管理統括監(梶山 知君) 津波発生時の対応に関する2点の御質問に、続けてお答えいたします。  初めに、津波避難タワーと津波避難ビルの収容人数についてですが、本市の津波対策として、平成25年度に策定した静岡市津波避難対策計画により、津波浸水想定区域内に津波避難ビルの指定や津波避難タワー等の建設を行い、避難場所を確保してまいりました。  令和2年度に駿河区西島の津波避難タワーが完成したことにより、津波避難施設の整備が計画どおり完了し、収容人数としても津波浸水想定区域の外に避難することが困難なエリアの計画避難者数を満たしております。  今後も津波からの避難を円滑にできるように、引き続き津波避難ビル指定の促進を図ります。また、そのために、民間ビル所有者に対し津波避難ビル整備事業費補助金制度の周知を図り、協力を求めてまいります。  次に、津波浸水想定区域の住民に対し、津波からの避難場所や避難方法をどのように周知しているのかについてですが、これまで整備した津波避難タワーや津波避難ビルなどの避難場所は、ピクトグラム看板や路面シートなどの案内標識等の設置のほか、自治会への説明会、インターネット版ハザードマップや広報紙等への掲載など様々な広報手段により周知に努めてまいりました。  また、津波からの避難方法については、自治会や事業所の方を対象とした出前講座、学校における防災教育などの啓発活動に加え、地震発生後、直ちに津波避難タワーや津波避難ビルに避難できるよう、例年3月に訓練を実施してまいりました。  現在、コロナ禍により地域を挙げての避難訓練は実施が困難な状況となっておりますが、今後、防災アプリを活用した避難時間の計測や、ドローンによる避難経路の撮影などにより訓練内容の検証を行い、訓練をより効果のあるものとしていくとともに、避難行動に対する地域住民の意識の啓発にも取り組んでいきたいと考えております。 17 ◯子ども未来局長(青野志能生君) 病児・病後児保育室の定員、受入れ状況と周知についてですが、病児・病後児保育室は、保護者の子育てと就労の両立を支援するために、病気または病気回復期の子供を預かり、必要な看護や保育を行っており、各区に1か所ずつ設置しております。  初めに、定員と受入れ状況ですが、定員は、葵区が4名、駿河区と清水区が各3名の計10名となっております。受入れ状況は、3か所合計で年間利用者が、令和元年度は965名、2年度は330名、3年度は1月末まででございますが、764名となっております。各年度における受入れ可能人数に対する利用率は、元年度は40.2%、2年度は13.6%、3年度は37.8%となっております。  次に周知ですが、病児・病後児保育室を知っていただき、必要とする方に円滑に利用していただけるよう、その場所や利用時間、利用に際しての条件などについて本市ホームページと子育て応援総合サイトちゃむしずおかへの掲載や、各区子育て支援課や子育て支援センターなどで配布しているしずおかし子育てハンドブックでお知らせしております。  今後は、これらの取組に加え、さらに多くの方に利用していただけるようにするため、広報紙への掲載、市のツイッター、LINEの活用や、手に取っていただきやすいチラシを作成するなど様々な方法により周知を図ってまいります。   〔児嶋喜彦君登壇〕 18 ◯児嶋喜彦君 それぞれの質問に対する御答弁ありがとうございました。意見・要望は最後に述べさせていただき、続きまして、デジタル化について質問させていただきます。  デジタル化といえば、国ではデジタル庁ができ、本市でもデジタル化推進課ができ、企業だけでなく行政でもDXへの変革を求められています。  特にコロナ禍で、新型コロナの感染者のデータをファクスでやり取りしているなど、行政でのデジタル化の遅れが目立つことになりました。  また、各人が使用する携帯端末の利用状況としては、スマホの全年代使用率が93%、60代でも82%となっており、高齢者がスマホを使いこなせるかの課題はありますが、デジタル化を推進する環境も少しずつ整ってきました。  また、スマホを使ったキャッシュレス決済として、何とかPayとかいういろんなアプリを使って支払いをするスマホユーザーが増えており、小銭が不要であったり、ポイントが還元されるなどのサービスが受けられます。  私は複数のアプリを使いこなすことができないので、PayPayのみを使っていますが、静岡市とPayPayが連携したエール静岡キャンペーンのときは、20%ポイント還元が非常にありがたいというふうに感じました。  デジタルを活用した消費喚起策としては、このような大手の全国で使えるキャッシュレスサービスがありますが、その場合、店舗側は大手業者への手数料が必要であったり、利益の一部は大手業者に流れるなど幾つか課題があり、地域全体をより活性化するためにはデジタル地域通貨が有効だと考えております。  地域通貨というと、使用できる店が決まっているなど使い勝手が悪い印象があり、私自身そうですが、複数のアプリを使うことが面倒なので、一番利用しているサービスだけを使うことが多く、デジタル地域通貨の専用アプリをダウンロードして、頻繁に使ってくれるかの課題もあります。  そのため、デジタル地域通貨を広く使ってもらうためには、地域の事業者が導入しやすくメリットが大きいこと、利用者としても使えるお店が多いことや、ポイント還元やポイント付与などのメリットが大きいことが必要となります。  さらに、デジタル地域通貨をきっかけとして、様々な行政サービスのデジタル化と連携することも可能です。  そこで、質問です。  消費喚起策として、デジタル地域通貨を導入する考えはないか、お聞きしたいと思います。
     続きまして、最後の質問として、市内宿泊者増加策についてお聞きします。  静岡市の人口は、1990年の73万9,300人をピークに減少傾向であり、2020年の国勢調査では70万人を割ってしまいました。今後は、定住人口の減少を最小限に抑えつつ、交流人口や関係人口を増やしていくことが必要です。  交流人口や関係人口を増やすためには、静岡市が魅力あるまちとして市外や県外、海外からも多くの人に足を運んでもらうことが必要です。  静岡市の観光資源をもっとアピールし、多くの人に市内を観光してもらうことはもちろん必要ですが、滞在時間をより長くして多くの人が市内に宿泊するようになれば、市内の宿泊業や飲食業がよりにぎわうようになると考えます。  市内に宿泊してもらう1つの手段として、夜景や夜間のイベントなどによる誘客があります。私は学生時代、北海道にいたこともあり、卒業してからも度々北海道を訪ね、函館山の夜景は何度も見ていますが、函館山の夜景を見る場合は必ず函館市内に宿泊することになります。  京都の桜や紅葉も見事ですが、多くの京都の観光スポットでは桜や紅葉のライトアップを実施しており、その場合も遠方からの観光客は京都市内に宿泊することになります。  静岡市の夜景としては、日本夜景遺産に登録されている日本平、エスパルスドリームプラザ観覧車ドリームスカイ、梶原山公園の3つあります。私は個人的に日本平からの夜景が非常に好きです。日没前後の日本平夢テラスから見る明かりがともり始めた清水港と、うっすらと見える富士山とのコラボレーションが非常に美しいと思っております。  そこで、質問です。  日本平の夜景の魅力をより多くの方に届けるために、どのような取組を考えているか、教えていただきたいと思います。  2回目の質問は以上となります。 19 ◯経済局長(加納弘敏君) 消費喚起策としてデジタル地域通貨を導入する考えはないかについてですが、これまで、モバイル決済によるポイント還元事業や、キャッシュレス決済の導入率を参加要件に加えた地域消費促進事業など、デジタル化を意識した取組を行ってまいりました。  デジタル地域通貨については、一定の地域で確実に消費される仕組みとして有効な手段であり、他都市では地域での消費に加え、健康マイレージやボランティアポイントとして使用している事例もございます。  一方で、その地域で普及、定着を図るためには、導入や運用に当たってのコスト負担、民間のキャッシュレス決済との差別化などの課題もあることから、今後も他都市の先進事例を含め、デジタル地域通貨に関する情報を収集するなど研究を進めてまいります。 20 ◯観光交流文化局長(望月哲也君) 日本平の夜景の魅力を届ける取組についてですが、日本平から清水港を望む夜景の最大の魅力は、富士山が背景にあることです。夜景を観光資源としてPRしている都市は数多くありますが、我が国を象徴する富士山と日本三大美港の1つと言われる清水港の組合せは唯一無二、世界中の方々に見ていただきたい本市の財産です。  中でも、夕暮れ時から日没にかけて、夕映えの富士山、移り変わる空の色、まちの明かりが織りなすハーモニーは、世界的な照明デザイナーの石井幹子氏から、富士と港の大夕夜景として世界に打って出ることができるものと評価していただきました。  令和4年度は、本市の夜景をテーマとしたSNS上でのフォトコンテストを開催し、市民の皆さんや夜景が好きな方々に実際に現地へ足を運んでいただき、本市の夜景の魅力を感じ、ファンになっていただくとともに、コンテストの優秀作品をポスター化するなどファンづくりにとどまらず、ファンと一体となった情報発信を進めてまいります。  さらに、国内外に魅力を発信していくため、ツインメッセなどで、大規模イベントに来訪されたメディア関係者などを対象とした夕暮れの日本平に案内する特別バスの運行や、多言語対応のプロモーションビデオの制作も予定しております。  こうした取組を通じて、日本平の夜景の認知度を高め、観光客の滞在時間の延長や宿泊者の増加による地域経済の活性化を図ってまいります。   〔児嶋喜彦君登壇〕 21 ◯児嶋喜彦君 それぞれの質問に対する御答弁ありがとうございました。  3回目は意見・要望について述べさせていただきます。  まず、津波発生時の対応についてです。  津波浸水想定区域の住民全員が津波避難タワーや津波避難ビルに収容可能であると分かりましたが、津波浸水想定区域の住民全員が、自分たちが避難する場所を理解して、大地震発生後に素早く避難できるかは疑問が残ります。  まずは、避難訓練で自分の避難場所を歩いて確認することが必要なのです。避難訓練の参加者を増やす取組強化をお願いしたいです。例えばデジタル地域通貨のアプリを用いて避難訓練に参加するとポイントがたまるなど、参加するメリットも必要かと思います。  ただし、自治会に加入していないなど、自治会からの情報だけで全ての市民に情報を伝えることは困難です。例えば行政より、定期的に各世帯の避難場所を郵送で伝えるとするのはいかがでしょうか。国勢調査の翌年に送付してみたり、市内に住民票を移した際に避難場所を伝えるなどの取組をお願いしたいと思います。  また、避難訓練は通常日中に実施しますが、地震は日中に来るとは限りません。昨年2月13日に発生した福島県沖地震は23時8分に発生したことから、福島県では夜間の避難訓練実施状況を各自治体に確認したところ、95%の自治体は夜間に実施できていないとの報道もありました。  夜間だと避難経路が暗くて見えない、津波避難ビルの入り口が分かりづらい、階段が危険など、夜間に避難訓練を実施してみないと分からない問題もあると思います。深夜でなくてもよいので、夜8時や9時ぐらいでも、まずは参加できる人だけでもよいので、避難場所単位で夜間の避難訓練を実施するようお願いいたします。  次に、病児・病後児保育室についてです。  現在、市内3つの施設の定員がそれぞれ4名、3名、3名とのことですが、私の印象としては定員が少ないように思います。現時点の受入れ状況として、定員が埋まってお断りするケースは少ないとのことですが、それは施設について十分周知されていないからではないかと思っております。  今後、市の広報紙静岡気分にも情報を掲載するようなので、周知活動をもっとしっかり実施すれば、定員が足りないことが分かるのではないかと思います。  新しく施設をつくる場合は、対応可能な小児科医の確保など時間がかかる課題もありますので、現在の施設から遠いところにお住まいの人も利用しやすいような新規施設の検討を進めていただきたいと思います。  また、本施設が広く活用されてからになりますが、お子さんが朝急に発熱し、本施設を使いたいといった場合の利便性を向上させるため、手続のデジタル化も検討していただきたいと思います。  具体的には、スマホで自宅近くの施設の空き状況を確認し、スマホで予約し、キャンセル発生時にはリマインドメールがあるなどの取組です。  子育て世代の支援のため、静岡市がより進んだ取組を導入することにより、静岡市に住みたいという子育て世代をもっと増やすため、本施設の拡大と利便性の向上をお願いしたいと思います。  次に、デジタル地域通貨についてです。  私は、デジタルで市民、事業者、行政をつなぐアイテムとして、導入の入り口としてはこのデジタル地域通貨がよいと考えております。  デジタル地域通貨のための専用アプリを活用することにより、今後は様々な行政サービスや地域の活動に展開することも可能です。  例えば、万歩計機能を使ってポイントをためたり、ボランティア活動や防災訓練に参加してポイントをためたり、環境的な対応でポイントをためたり、給付金をポイントで付与したり、義援金や寄附金にポイントを活用することもできます。さらには、子ども食堂や福祉タクシーを市が付与したポイントで支払ったり、ふるさと納税のポイントや移住者へのポイントなど様々な行政サービスへ活用する可能性があります。  今回は経済局に御答弁いただきましたが、庁内各局が連携して進める必要があり、現時点であれば、デジタル化推進課が、活用範囲が広くなれば、さらに大きな組織として庁内だけでなく市民サービスも含めたデジタル化を推進してもらえればと思います。  最後に、夜間を活用した誘客についてです。  日本平の夜景の魅力を届ける取組として、夕暮れ時に日本平へ案内する特別バスの運行の話もありましたが、まずは日本平の駐車場を拡張、整備した上で、観光客を中心とした専用バスを推進してもらいたいと思います。  先ほど話をした函館では、各ホテル前からロープウェイ入り口までの専用バスがありましたが、日本平夜景ツアーをホテルの宿泊プランに加えるなど、ホテルとタイアップした日本平行き専用バスの検討をしてはと思います。  また、そのほかに夜間を活用した誘客として、青葉シンボルロードのイルミネーションや駿府城公園周辺のライトアップなど、まちなかのイベントもあります。京都では、桜や紅葉のライトアップも見事であったと述べましたが、季節に応じたライトアップも夜間のイベントとして魅力的だと思います。  さらには、大きな壁や建物を被写体としたプロジェクションマッピングも魅力的で、私も見ましたが、中国浙江省の杭州では、高層ビル5~6棟を被写体とした大きなプロジェクションマッピングは非常に壮大で、京都二条城のプロジェクションマッピングも幻想的で美しいものでした。これらは30分や1時間ごとに数分間上映するようなものなので、時間に合わせた誘客ができると思います。駿府城の石垣や市役所新館庁舎を被写体にしてはいかがでしょうか。  日本平の夜景を軸に、季節に応じて変化させたライトアップやプロジェクションマッピングのような時間を決めたイベントなど各所を周遊するタイムスケジュール案を複数立案し、静岡市を訪れたくなるような企画をたくさん検討し、市内宿泊者を増やして、市内の宿泊業や飲食業がより活性化し、静岡市の交流人口や関係人口が増えるような取組を引き続きお願いしたいと思います。  以上で、全ての質問と意見・要望を終了させていただきます。ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 22 ◯議長(鈴木和彦君) 次に、寺澤 潤君。   〔寺澤 潤君登壇〕 23 ◯寺澤 潤君 それでは、通告に従い質問を行います。  まず、大項目1番目として、地域主体のまちづくりであります。  少子高齢化による急速な人口減少やコロナという新たな脅威が存在する令和時代、社会問題は大変複雑化しており、昨今は都市のスポンジ化と個性が喪失していると言われております。  また、厳しい財政状況が続く中、地方自治体組織は行革等でスリム化、小さな政府、大きな自治となっており、今後の都市計画や自治体の経営の手法は今までの官主導から民間主導へ転換し、新たな視点と価値観を打ち出し、民間にある程度任せることだと考えます。  国土交通省が平成30年に作成した、担い手が語る官民連携まちづくりの記録を見ますと、こう書いてあります。これからの時代のまちづくりは、新しい何かをゼロからつくるのではなく、遊休不動産や公共空間など潜在的な資源を活用し、官民が手を携えてまちを再生していくことが重要と書いてあります。まさに市長が提唱するないものねだりからあるもの探しとの言葉にも合致します。  昨今のまちづくりは、計画の透明性を求める意見が一段と高まっており、ときにはその手法や決定のプロセスをめぐり、大きな議論を呼ぶこともあります。本市でも清水都心まちづくりの中身について、市民から不安や疑念の声が出たことは事実であります。  まさに社会が多様化する中、言い換えれば、まちのために役立ちたい──パブリックマインドを持つ方が多くなったことで、様々な意見を集約して共に進めていくコンセプトが大切だと感じます。  そうした中、地域主体のまちづくり、エリアマネジメントによる民間主体での地域活性化、魅力づくりは全国で広がっております。皆さんも御存じのとおり、以前、会派の研修会で話を伺いました、宮崎県日南市の油津商店街のリノベーション、また、札幌市では、札幌大通まちづくり株式会社による中心街再生の取組など、劇的なにぎわいの復活や魅力ある空間創造が民間主導の力で大きな成果が出ている事例も見受けられます。  現在、本市で行われている第3次総合計画、さらに次期第4次総合計画策定につなぐためにも、このエリアマネジメントでの都市計画は有効な手段だと考えます。  国でもこのエリマネに対する多くの予算、税制支援制度が創設され、ガイドブックなども作成して普及しております。  本市も平成26年頃から取組が始まり、私の地元、草薙地区では一定の成果を出しておりますが、そろそろ市内各地で展開するまちづくり、特に5大構想での都心まちづくりにおいて、このエリマネによる地域主体の取組を幅広く根づかせていくべきだと考えます。  ただ、せっかく地域住民が立ち上がって何かアクションを起こそうとなっても、行政側がそれを受け入れる体制の充実は必要であります。  公共空間の利活用の場合、手続などで行政の縦割り、この組織への弊害が出て、結局は行政側が後ろ向きに見えることがよく聞かれます。  では、本市のこのエリマネの現状はいかがでしょうか。私も過去何度か質問で取り上げた地元草薙での草薙カルテッドによる取組は、市当局が積極的にフォローしている姿は常日頃見受けられますし、プレーヤーである地元団体も様々なアクションが起こしやすいと見受けられます。  昨今は、窓口のワンストップ体制の構築が一部見受けられます。草薙カルテッドは、担当課の尽力もございまして、平成30年に都市再生推進法人の指定を受け、駅前空間の管理運営などが地元側で行われております。  公共空間を民間が運営する事例は、まちの空間に刺激を与えており、今後はエリアマネジメントの一層の取組と進化によりまちは輝く、それは世界に輝く静岡というフレーズが市民に浸透していくと思われます。  ここで、草薙の現状を取り上げたいと思います。  次代につながるまち草薙をキャッチフレーズに、大学が点在する草薙の地でエリアマネジメントが始まった頃から、地元自治会や商店会が中心となり、様々な取組が実行されてきました。  そうした中、本市での草薙駅周辺再開発事業でのJR草薙駅舎の建て替えに南北自由通路、駅前広場の完成、さらに、平成30年には常葉大学草薙キャンパスの開設など、ここ5~6年で大きな変貌を遂げました。  ただ、ハード面での整備だけではなく、そこで展開されていた地域主体のまちづくりの成果は、まちづくり会社草薙カルテッドの誕生、さらに、静岡市の新たな玄関口にふさわしい副都心としての機能が生まれたと感じます。  文教地区にふさわしく県立大学や常葉大学、また、静岡サレジオ学園など、学生中心の若者が集結し、さらに、周辺の住宅地には、子育て世帯も増え、住環境のニーズに応えるべく新規の子育て施設も相次ぎました。  かつて、この草薙地区と言いますか有度地区は、安倍郡有度村でありましたが、昭和25年当時、1万2,000人余の人口でしたが、今は3万7,000人と非常にベッドタウンとして成長して今後も人口の増加が見込めます。  そんな草薙の姿をさらに未来へつなげていくため、今後も新たな動きが展開しております。その中核が草薙カルテッドであり、今日、お手元にパンフレットのコピーを配布しましたが、昨年春には学生、企業、地域をつなげる目的で、コラボレーションスペースTaktが誕生しました。今日はTaktから、この地元の関係者がネット中継でこれを見ていただいております。ありがとうございます。  この施設では、学生や若者が主体的に運営し、さらに、若者が社会で活躍するための活動拠点としてKPI──重要業績評価指標を設定し、地元企業から幅広く賛助団体を募りながら、新たなプロジェクトを立ち上げていく計画であります。今後は、駅南口のメインストリートの魅力づくり、そして、駅北口には春に完成予定の新たな駐輪場に隣接する芝生広場において、常時イベント開催が可能な環境が整備されております。  このように、若者と地元住民や地域団体が連携して魅力づくりに取り組むことで、草薙ブランドという物が形成されていくと思います。  このように、先行する草薙の取組以外でも、駿府ホリノテラスを運営する地元の商店街中心で結成された御伝鷹まちづくり株式会社など、徐々にこのエリアマネジメントの取組の成果が出ていると感じますが、本市の都市計画事業全般において、この地域主体のまちづくりを積極的に展開することが草薙同様、次代につながるまちがこの静岡市全体で形成されていくと思います。  そこで、伺いますが、まず、エリアマネジメントの取組がどの程度進められ、また、本市の都市計画への影響と効果を与えているか、さらに、草薙駅周辺のまちづくりの評価や今後の狙いについて、ここで伺います。  1点目として、本市におけるエリアマネジメントの取組と先行事例である草薙駅周辺におけるまちづくりはどのようか、お答えください。  さらに、現状の取組を踏まえた上で、今後どのようにエリアマネジメントを進めるかが大切であります。3次総の基軸である5大構想に掲げる静岡、清水両都心のまちづくりをはじめ、市内各地でのまちづくりにおいて、その地の住民や地域団体が主体となったエリアマネジメントの必要性が十分にあると思われます。  清水都心については、先日、清水みなとまちづくり公民連携協議会が開催した第3回清水みなとまちづくりシンポジウムにおいて、清水駅東口・江尻地区ガイドプラン案が公表され、スポーツ施設や公園広場などを求める住民アンケートを反映し、2030年代までにかけて段階的に形成していくとのことでした。  また、先日は清水区の経済界や自治会連合会より国際海洋文化都市清水の実現のため、海洋文化施設の早期整備の要望があったように、市長の言うとおり、清水の再生は待ったなしであります。将来像を清水区民の思いを幅広く集約するためにも、公民連携協議会での取組を一層充実させるとともに、都心エリアの住民や地域団体が主体となるまちづくりが展開されるべきだと考えます。  もちろん地域主体のまちづくりは、地域で頑張るだけでは続きません。当局が裏方としてしっかりとフォロー役を果たすことが大切であり、また、主役となるプレーヤーやキーマンをどのように養成していくかであります。  先進事例を聞いても、油津商店街のようにキーマンなる人物がしっかり旗振りし、それに当局がしっかり応えていく、そんなシステムが構築されているわけであります。  まちづくりや地域課題を解決する人材を養成するために、私も以前質問しましたが、シチズンカレッジ「こ・こ・に」があります。  過去に受講された方々が、草薙をはじめ市内各地のまちづくりで活躍する姿を見受けられますが、今後はそれ以外でも人材育成などができる仕組みや支援制度の創設があるべきと考えます。  世界に輝くまち静岡の創造を達成するには、施政方針にも地域資源を磨き、輝かせる、または、市民一人一人を輝かせていくと書かれてあります。世界に輝くためにも、今後、まちづくりの拠点となる地元住民が主体性を持った取組が重要であると感じます。  では、当局がどのようにエリアマネジメントを浸透させ、本市のまちづくりへ効果を与えていくのか、ここで伺います。  2点目として、地域主体のまちづくりを今後どのように進めていくか、お答えください。  次に、大項目2番目として、共生のまちづくりについてであります。  まずは、多文化共生についてお聞きします。  1日目の我が会派の代表質問で、宮城議員から多文化共生推進条例の質問がなされ、当局から条例制定にかける意気込みなどを伺うことができました。  私からは、条例制定後に策定する多文化共生推進計画などを質問いたします。  実は私、今から30年ほど前、中国の北京へ4年間留学した経験を持ちます。非常に貴重な体験をできた感じでございます。ただ、そこで感じたのは、世界各国から集まった留学生の中で、日本人がこのワールド化になじめず輪の中に入っていけない、国際問題、当時は湾岸戦争が終わった頃でしたが、その中の議論にも入っていけない、そういった体験をして、つくづく日本人の国際化の遅れを強く感じた記憶がございます。  グローバルな現代社会、当時と比較して日本人の国際化は一定進んだと認識しつつも、一方で、いまだに外国人という存在に対し偏った意識を持っている方も多いと感じております。  そうした中、国の奨励により多文化共生の取組は全国的に広がっており、特に少子高齢化による人口減少社会時代、企業でも外国人人材の需要が増えており、地域生活の中でも外国人は身近な存在となっております。  市内には1万人余の外国人が居住しております。平成27年から始まった多文化共生推進計画において、外国人と日本人の住民双方が地域社会を担う対等なパートナーとして共に暮らせる多文化共生のまちづくりの理念の下に、様々な取組が実施されてきました。  本年7月には、多文化共生推進条例が制定される予定で、その条例を骨子に、来年度は新たなこの多文化共生推進計画が策定されます。  市民アンケートでも、多文化共生の取組が重要であるとの問いに対して、75%が重要との回答があったと聞いております。現在までの取組の成果が出ているのかなと感じます。  しかし、コロナの長期化で外国との往来が極度に制限され、また、市民が多文化に触れる機会も少なく、さらに、ウクライナ問題など国際秩序を揺るがす世界情勢になった、この今だからこそ、多文化共生を強力に推進し、市民へ浸透させる実効性ある取組が必要だと考えます。  そこで、平成27年から始まった現計画の成果を踏まえた推進計画をどのように策定するか、ここで質問します。  1点目として、新たな多文化共生推進計画をどのような狙いで策定していくか、お答えください。
     次に、共生社会を構築する中で、もう1つ重要なテーマである「障がい者共生のまちづくり」についてであります。  この問題については、平成30年6月議会において私も質問させていただきました。従来あった3本の障害者計画に関するこの計画を一本化させてスタートし、既に前期3か年計画を終えて、成果と課題を踏まえて改定した現計画が実行中であります。  障害者福祉のボランティア活動を通して、政治に関わった人間として、このような計画が当事者にとってどのように成果が現れているのか、活動を通して当事者や関係者と意見交換しております。  前計画では、駿河共生地区への児童発達支援センター設置など17の目標を定め、一定の成果を上げてきたと聞いております。  しかし、令和元年度に実施した市民アンケートでは、障害者共生への意識が進んでいるとの答えは当事者で11%、健常者でも16%と依然低い状態であります。  この計画の理念である障害の有無に関わらず、相互に尊重し、支え合い、地域で安心して自分らしく暮らせることのできる共生都市の実現の達成の道のりは、依然険しいと感じます。  市内には、障害者手帳を所持する方は約3万6,000人、そのうち障害福祉サービスを利用される方は全体の2割程度である約7,000人余でありますが、年々増加しております。  多様化や少子高齢化の社会へ入る中でも、地域包括ケアと同じように、障害者の皆様が少しでも暮らしやすいまちを構築するため、この計画をしっかりと実効性ある取組にするべきと考え、現状や今後の見通し、さらに課題について伺います。  1点目として、障がい者共生のまちづくり計画について、これまでの取組の成果、現状の課題は何か、また、今後どのように取り組んでいくのか、お答えください。  以上、1回目です。 24 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目1、地域主体のまちづくりについてのうち、本市におけるエリアマネジメントの取組と先行事例である草薙駅周辺におけるまちづくりはどのようかとの御質問にお答えします。  エリアマネジメント、通称エリマネ、例えばそのエリアに新しくビルができたり、駅が整備されたり、あるいは学校ができたりといういわゆるハードができただけでは駄目だと。そこに暮らす人々がそれをどう活用するかという主体的な取組、マネジメントする仕掛け、ソフトがしっかりないと、これは地域経済の活性化にはつながらないという考え方がエリアマネジメントだと、私は理解しております。  当然、3次総において、私どもはこの公民協働で進める地域の特色を生かしたまちづくりでありますので、これまで都市局を中心に、地域が主体となったまちづくり活動や公共空間を利用したにぎわいの創出等、地域固有の特徴や資源に応じた魅力づくりの下支えを推し進めてまいりました。いわゆるエリアの価値を高めていくというお手伝いをさせていただきました。  具体的な取組としては、市民の皆さんに向けての講演会やシンポジウム、ワークショップなどを開催して、意見交換をして、そもそもエリアマネジメントとは何かという普及啓発を行っていくとともに、実際にまちづくりの活動を行っている地域の団体の皆さんと意見交換をし、御要望をお聞きし、あるいは公共空間を利活用した社会実験をしていくなど、多種多様な取組を公民連携で実施してまいりました。  その成果の1つが、2つの団体、議員御指摘の草薙カルテッドと御伝鷹まちづくり株式会社を都市再生推進法人に指定することができたということであります。  現在、草薙駅周辺及び駿府城公園周辺において、エリアマネジメント手法によるまちづくりが本格的に始まっております。  このうち、議員御地元の草薙駅周辺のまちづくりでは、本市におけるお手本のような、言わばロールモデルのようなエリアマネジメントが始まっていると理解しております。  若者に着目して、彼らを巻き込む施策を展開することによって、また、施政方針で申し上げましたが、人口活力の維持につながっていく、そんな取組に挑戦しようという勢いを感じています。  そこで、SDGsの目標年次である2030年の社会で主体的な役割を担う若者の育成、定着の促進も期待でき、本市も積極的に支援していこうと考えております。  さて、この地区で活動する草薙カルテッドは、このエリアマネジメント手法を通して、草薙から若者が挑戦できる環境を学校、企業、地域、行政が一緒につくっていき、静岡市で将来活躍する人材を増加していくと掲げております。それをテーマにしております。そして、地元の企業の御支援や自治会及び周辺大学との連携により、自立した運営体制の構築や草薙に集まる学生の育成に取り組んでおります。  具体的な取組としては、草薙カルテッドを主体に、静岡市も連携して、学生による草薙のまちづくりを実践するインターンシップを実施したり、学生と地域の皆さんがタッグを組んで、四季折々のにぎわいフェスを開催したり、目下、草薙駅周辺では、この地区の強みである若者の行動力、学生の力を最大限に生かした産学官民が連携した取組を展開されておると受け止めております。  さらに、昨年4月には、今日、配布の資料であります学生と企業や地域をつなぐプラットフォームとしてのコラボレーションスペースTaktがオープンされました。ここに学生の頃から草薙のまちづくり活動に携わってきた方々が、運営スタッフとして活躍しているとの報告をいただいております。  ここに企業も注目し始めております。このTaktに協賛すれば、いい学生との出会いがあるだろうし、学生にとって、キャンパスを飛び出して、ここで様々な活動をすれば、これは就活につながるかもしれないという、このウィン・ウィンの関係をつくる出会いの場所であるこのTaktの取組に、私は大いに期待しているところであります。  今後も、人口活力の維持や地域のにぎわいの創出に資するエリアマネジメント活動をさらに推進していくため、新たなまちづくり活動団体との連携や活動を行う若い世代の人材育成など、公民の連携を積極的に4次総においても進めることによって、地域主体のまちづくりをこの草薙から全市へ広げてまいりたいと考えております。  今後の議員の御協力、御支援をお願い申し上げます。  以下は局長から答弁させます。 25 ◯都市局長(宮原晃樹君) 地域主体のまちづくりを今後どのように進めるのかについてですが、まちづくりを進めるには、地域ごとの課題を認識し、特性やポテンシャルを発掘することが必要であり、対象となる地域の個性に応じたまちづくりをどのような構成員でいかに取り組んでいけばよいかを共に考え、サポートしていくのが行政の役割であると考えております。  これまでに、草薙駅周辺や駿府城公園周辺をはじめ、青葉緑地などでは、地域のまちづくり団体の設立をサポートしながら、各団体と連携を図り、公共空間を利活用するなどの取組を実施してきており、草薙駅周辺や駿府城公園周辺では、既に地域主体のまちづくりが始まっております。  令和3年度は、青葉緑地でまちづくり活動を行っているI Loveしずおか協議会や周辺の自治会などと連携し、常磐公園に隣接する青葉緑地の水景施設の周りにオクシズ材を活用した休憩施設──常磐テラスを設置する社会実験を実施しています。  この取組により、周辺の店舗や住民の方などが、自主的に実行委員会を設立するなど、自らまちづくりを実施するといった機運が高まるとともに、水景施設はあるものの憩う人は少なく、地域の特性を生かせていない状態が改善され、思い思いの時間を過ごすことができるような空間となっています。  このようなエリアマネジメント手法による公共空間の新たな活用が、市民の皆さんの意識や行動を変え、各地域の課題解決につながるため、今後もまちづくり活動を担うプレーヤーを育成し、公民連携により地域主体のまちづくりを進めてまいります。 26 ◯観光交流文化局長(望月哲也君) 新たな多文化共生推進計画をどのような狙いで策定していくのかについてですが、計画は、現在策定中の多文化共生のまち推進条例で定める基本理念や、目指すまちの姿の実現に向けた市の具体的な事業を示すとともに、市民や事業者の皆さんが自分ごととして、また、連携して取り組んでいくことを狙いとします。  計画には、条例策定のために実施した市民アンケートの結果などを踏まえ、次の4つの施策の柱を設け、幅広い事業を検討していく予定です。  1つ目は、生活環境の整備です。安心できる暮らしのために必要な情報提供や支援策の充実に取り組んでまいります。  2つ目は、教育の充実です。外国と日本の文化を相互に理解することや、外国人住民のニーズを捉えた日本語教育などを盛り込んでまいります。  3つ目は、地域における交流促進です。お祭りやスポーツなどの活動や体験を通したコミュニケーションの充実など、多文化共生を身近に感じられる事業を計画いたします。  そして、4つ目は人材の育成です。企業や自治会など様々な場における多文化共生の担い手づくりを進めてまいります。  今後見込まれる外国住民のさらなる増加や定住化の傾向、そして、デジタル化の進展などの社会の情勢を見据え、市民の皆さんの多文化共生意識を一層高め、地域に根差した計画にしていきたいと考えております。 27 ◯保健福祉長寿局長(杉山友章君) 障がい者共生のまちづくり計画のこれまでの取組の成果、現状の課題、今後の取組についてですが、前計画の取組の成果としては、障害者の地域生活を支える地域生活支援拠点施設の整備、新たな児童発達支援センターの設置、就労支援を受け一般企業に就労した人数の増など、17個の成果目標のうち7割以上の成果を達成することができました。  続いて、現状の課題と今後の取組は、次の3点です。  1点目は、共生社会のさらなる推進です。従来の心のバリアフリーイベントや市政出前講座に加え、共生社会をテーマとしたワークショップを実施し、障害のある人とない人の新たな交流の機会を増やすことで、障害への理解がますます深まるよう努めてまいります。  2点目は、災害時の支援の充実です。個別避難計画の策定促進や避難所等における障害者への配慮や感染症対策について、専門家の助言を受け改善を進めるなど、災害時における障害者の安全・安心な生活の確保に向けた取組を進めてまいります。  3点目は、親亡き後の支援体制の確保です。障害者施策推進協議会等において、親亡き後問題、8050問題の解決に向けた取組について引き続き協議を行い、必要な支援を提供することで、障害者とその家族の将来に向けた不安の解消に努めてまいります。   〔寺澤 潤君登壇〕 28 ◯寺澤 潤君 2回目の質問に入ります。  地域主体のまちづくりについては、先ほど市長からも御答弁ありましたが、後で意見・要望で述べるとして、共生のまちづくりに関して、引き続き質問を行います。  多文化共生についての2回目です。  推進計画の策定の目的について、市民が自分事として具体的事業を当局が市民や企業と連携して取り組むとの答弁がありました。まさに外国と日本の区別はない、そんな取組が実行されると理解いたします。  では、その計画を実行するため、作戦本部でもあるこの本市職員、また、共に取り組むべきである市民、あるいは企業、地域で言えば自治会やまちづくり団体など、まさにオール静岡で正しい共生意識を持つことが重要であります。  特に令和時代、これからの本市を担う若者や子供たちに対し、どのように普及啓発をしていくかであります。  情報化社会の中、SNSなどの普及で外国の文化や情報を簡単に入手する時代であります。その一方で、不正確な情報も流れ、それを基に先入観で多文化を否定する動きもあることは事実であります。  将来の役割を担う世代に対し、多文化共生の取組によってグローバルな時代、外国と向き合っていくのか、正しく普及啓発することは大切であります。  これは計画の実行部隊である本市職員に対しても言えることであります。担当課の国際交流課の職員だけでなく、市民サービスを行う窓口職員をはじめ、市民生活に関わる部署の職員を含めて、条例や計画の狙いを普及啓発していくべきと考えます。  何よりソーシャル・インクルージョンと言われる社会的包摂を進めるためには、ホストである本市職員全体が共生意識を持っていなければ、絵に描いた餅となってしまいますので、ここで伺います。  2点目として、市民、特に若者の多文化共生意識の啓発をどう進めるか。  3点目として、職員の多文化共生意識の向上のためにどう取り組んでいくのか、お答えください。  また、多文化共生を取り組む中において、本市が締結している外国との姉妹都市交流の活用があります。本市は友好都市がベトナムのフエ、さらに姉妹都市としてアメリカのオマハ、ストックトン、シェルビービル、フランスのカンヌと姉妹都市を締結し、今まで多くの交流が展開されてきました。私も参加させていただきました。  しかし、締結当初の姉妹都市との交流目的や方向性は、現在では意義や狙いも大きく変わっていると思います。全国的にも姉妹都市交流の年月が過ぎ、かつては文化交流的要素が強かった時代から、グローバルな時代だからこそ常にネクストやプラスアルファを求めるなど、在り方の再検討する時代だと思います。  私自身、青少年交流の活発化や経済、環境、教育など多くの分野で交流を加速させることで、地域創生や多文化共生へつながるような有効的な取組が図られるべきと感じますので、ここで伺います。  4点目として、多文化共生意識の向上のために、海外との姉妹都市交流をどう生かしていくのか、お答えください。  次に、障がい者共生のまちづくりについてです。  この計画では、基本理念、基本目標が定められ、その中に静岡市ならではの取組が大きなポイントとなっております。そのうち、発達支援、医療的ケア児等支援、災害防災対策などの3点が設定され、課題はあるもののある程度の成果を上げております。  しかし、もう1点のポイントである8050問題、親亡き後の支援と言われることについては、現在、社会問題となる中、依然、本格的な解決や取組がなされていないため、質問いたします。  8050問題は今始まったことではありません。ユニバーサルデザインやバリアフリーがスタートした90年代、重度障害児の保護者の皆様がグループホームをつくる活動を展開されておりました。自分たちが年老いたとき、重い障害がある子供たちを安心して託せる施設をつくりたいと熱心に活動された姿がとても印象に残っております。  先日、その保護者の皆さんからお話を伺いましたが、8050問題はお子様が誕生したとき、まさに「3000」からスタートしており、障害者の生活環境や支援体制に関する法律も大きく変わり、サービス体制、支援制度も大きく変わりましたが、現状この問題については、国の直接的な施策はなく、地方自治体等での地域共生型取組による解決が求められているとのことであります。  現計画では、実施中の地域生活支援ネットワーク「まいむ・まいむ」を中心とした民間施設同士のネットワークによる地域の体制づくりが進められております。  しかし、運営体制の不備や地域との連携不足によるトラブルの発生、さらに、関係機関との連携不足、人材不足など課題は山積している現状が見えております。  その結果、当事者は翻弄され、また、親が高齢となり経済的な状況でサービス費用の負担が困難となり、グループホームすら利用できず、結果、自宅で介護する老障介護のケースが多くあると聞きます。  そのような実情の中で、本市がどこまで独自色を発揮して、8050問題に対する不安や課題に応えていけるのか、大変難しい課題でありますが、これをほっておけば、「9060」や「10070」へと進む懸念もありますので、ここで質問します。  2点目として、障害福祉分野における8050問題の課題について、どのように捉えているのか。  3点目として、今後どのように障害福祉分野における8050問題に取り組んでいくのか、お答えください。  以上、2回目です。 29 ◯観光交流文化局長(望月哲也君) 多文化共生意識に関する3点の御質問にお答えします。  まず、市民、特に若者への多文化共生意識の啓発についてですが、これまで、意識啓発の取組については、英語、中国語、フランス語の国際交流員がこども園などを訪問し、海外の文化に触れる国際理解講座を年間約100回実施してきました。  また、毎年11月には、青葉シンボルロードで多文化交流イベント静岡わいわいワールドフェアを開催しております。  このワールドフェアでは、令和3年度の企画運営に大学生も参加し、イベント広報などのアイデアを取り入れた結果、若者目線でのPRができ、約1万2,000人もの集客につながりました。  あわせて、大学と連携し、学生がイベントに出店することで、若者が主体となった多文化共生の交流や啓発を行うことができました。  令和4年度は、これまでの啓発事業に加え、しずチカイベントスペースなどで若い市民の皆さんの企画を生かし、様々な国の文化に触れながら交流できるイベントなどを行ってまいります。  また、国際理解講座などを通じた啓発も、新たに小中学生向けに、学習テーマに合わせた多文化理解や共生に関する多様なプログラムを用意し、強化してまいります。  今後は、このような取組を積み重ねていき、市民の皆さん、特に未来を担う若者への多文化共生の意識啓発を進めてまいります。  次に、職員への多文化共生意識の啓発についてですが、近年、市役所を訪れる外国人住民の方も増えており、多文化共生の意識は、職員として大変重要なことと考えております。  そこで、令和3年度は、職員に対して3種類の多文化共生に関する研修を実施いたしました。  1つ目は、外国人住民への応対研修です。来庁者応対に当たる職員コンシェルジュの23人が、外国人講師から外国人住民へ接する際のポイントを学びました。  2つ目は、多文化共生の推進研修です。採用3年目の職員を対象に、110人の職員が外国人住民の現状や外国人住民が市に求めていることなどを学び、多文化共生への意識がさらに高まりました。  3つ目は、やさしい日本語の基礎研修です。窓口応対に当たる80人の職員が受講しました。やさしい日本語は県内在住の外国人住民の約8割が理解できるもので、今後重要となっていくスキルです。受講後にやさしい日本語を使ったパンフレットの作成に取り組み始めるなど、研修の効果が表れています。  令和4年度は、これらに加え、オンラインでいつでも受講できる多文化共生の推進研修を実施する予定です。今後は、外国人住民への応対スキルを身につけ、職員一人一人が外国人住民に寄り添いながら接することを目指して、研修を継続的に実施し、職員のさらなる意識啓発を進めてまいります。  最後に、多文化共生意識の向上のために、海外の姉妹都市交流をどう生かしていくのかについてですが、これまで姉妹都市とは一般財団法人静岡市国際交流協会をはじめとした関係団体との連携の下、5年に1度の親善使節団相互訪問のほか、中高生相互訪問や教職員相互派遣などの交流事業を実施してまいりました。  しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、現在全ての訪問事業が中止や延期を余儀なくされています。  このような中、ICTを活用した新たな事業を通して、交流の継続を図っております。例えばネブラスカ州立大学オマハ校と静岡大学との間では、学生同士が打楽器の演奏を行い、合同で動画を制作する音楽交流を行うほか、カンヌ市立観光業高等学校と学校法人鈴木学園との間をオンラインでつなぎ、お互いの国の料理を作り、試食する料理交流を全6回行いました。  これらの取組は、本市と姉妹都市の将来を担う次世代の若者たちが直接出会うことができない中においても、お互いの言語や文化について学び合い、友情と国際理解を深める貴重な機会となりました。  今後も姉妹都市関係者と連絡を密に取り合い、状況に応じて対面とオンラインを組み合わせながら、市民交流を継続し、これまで長きにわたり育み、培ってきた友好をさらに深めていくとともに、市民の皆さんの国際理解、多文化共生意識の醸成につなげてまいります。 30 ◯保健福祉長寿局長(杉山友章君) 障害福祉分野における8050問題の課題と今後の取組についての2点の御質問について一括してお答えします。  80歳代の親が50歳代の障害のある子供を介助する、いわゆる8050問題について、障害者施策推進協議会での議論や当事者の意見を踏まえ、3点を課題として捉え、取組を行ってまいります。  1点目は、将来の生活への備えです。当事者がどこに住むのか、家事や金銭管理など生活上の支援を誰がするのかなど、将来的な問題や解決方法、相談窓口を紹介したハンドブックを制作し、その活用を促すとともに、相談の機会を設けるなど、今後の生活設計を後押しします。  2点目は、複合的な相談への対応です。高齢者と障害者のそれぞれの支援に関わる機関だけでなく、ひきこもりや生活保護など多分野の機関が連携し、複合する問題についての相談を受け止め、解決を図る重層的支援体制の整備を推進し、適切な支援につなげます。  3点目は、居住系サービスの確保です。8050問題において、将来、住む場所として期待されるグループホームや介助者のレスパイト等で利用する短期入所などの居住系サービスの需要が今後増えていくことが予想されます。  グループホームについては、これまでに令和5年度までの目標値である49か所を上回る56か所を整備していますが、重度の障害に対応するグループホームについては不足しています。  また、短期入所については、令和5年度の目標値である58か所に対し、38か所の整備にとどまっています。  今後は、これらの居住系サービスについて、引き続き整備を進めてまいります。   〔寺澤 潤君登壇〕
    31 ◯寺澤 潤君 3回目は意見・要望を述べます。  地域主体のまちづくりについて、市長からも本当に大変熱の籠もったこの草薙に関することとか、いろいろこれから市全体で地域主体のエリマネを広めていくというような答弁がございました。ありがとうございます。  私もお願いしたいのは、草薙とかこの静岡のまちなか、今いろいろと先行的に進んでいるところもございます。これをぜひ静岡都心、そして、特に清水都心のほうでこういった取組をしっかりと広めていただきたい。それによって、清水都心、いろんな意見があるにせよ、そういったものをしっかりとネクスト、次へ、次代へつながるまちにしていく、そんな取組を我々議員もしっかり責任を持って進めること、当然、一番には市長がこういったことをしっかりと清水区の皆さんに、思いを伝えていっていただければなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  地域主体のまちづくりは、施政方針に書いてあるとおり、人口活力の維持、地域のにぎわい創出を本当に現実化するため、エリアマネジメント活動をさらに推進していき、その成果を4次総で目指す若者世代がまちでの主体的役割を担い、その結果、若者の本市への定着が進められればよいと思います。  このエリマネについて、全国的な事例を見ますと、札幌市では都心まちづくり推進室を設置し、エリマネ推進を重点的に取り組む自治体もあります。今後、さらなる取組の強化を図るならば、この担当課の新設も検討すべきではないかと考えます。  ぜひ草薙をはじめ、市内で展開していく地域主体のまちづくりに対し、地域のプレーヤーがさらに活躍しやすい、そんな環境の充実ができるような支援体制の強化を求めます。  なお、草薙地区のまちづくりについて、1点要望がございます。昨年閉鎖された草薙駅前駐車場について、併設の駐輪場は稼働しておりますが、立体駐車場跡地の活用が未定となっております。これに対して、地元からは、生涯学習施設や子育て施設など公共空間として活用できるスペースをつくるべきとの意見が出ております。  もちろん跡地活用は民間への売却を含め、いろいろな想定や提案があると思いますが、どんな形にせよ、地元へ還元できる施設に生まれ変わるよう当局の早急な方向性の確立を求めます。  次に、共生のまちづくりについてであります。  これは、障害者の問題で、当事者や障害の子を持つ親の皆様と意見交換した際、強く印象に残っている意見があります。現状は、行政当局で様々な取組を実施され、声高く普及啓発が行われる中、根本的に心のバリアフリーが未成熟のため、いまだに多くの人々に共生の意味が根づいていない、そのために、誹謗中傷や差別が多く存在するとのことでした。  これは、多文化共生にも言えることでありますが、情報化社会の中、間違った情報が簡単に入るため、若者や子供たちまで外国人、障害者と特別な意識が心の中に存在することが、この取組の達成度、当事者の意識が低いことに表れております。  多文化共生、障害者の共生というキーワードの文字だけは広く普及されております。しかし、理想と現実でのギャップが大きく、この溝を埋めるには、心の教育的な取組が必要ではないかと思います。  人間は国籍、宗教、文化、さらに障害は関係なく、対等に社会で接していくべきだと感じております。  本当の意味で共生意識が醸成する、これは子供たちや若者への教育にも言えることではありますが、ぜひ実効性のある計画策定や取組が行われることを期待します。  私自身、手話サークルの活動に参加したことがきっかけで、共生、この障害者の取組などを痛感し、多くの運動に関わってきました。以前も質問しましたが、手話言語条例制定への取組など、当事者が共生意識をしっかり理解できる共生都市実現のため、私自身も当事者の皆様と共に汗を流していくことをお誓いし、質問を終わります。今日はありがとうございました。(拍手) 32 ◯議長(鈴木和彦君) この際、暫時休憩いたします。         午後0時9分休憩    ───────────────────         午後1時15分再開 33 ◯副議長(山根田鶴子君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続けます。  次に、石井孝治君。   〔石井孝治君登壇〕 34 ◯石井孝治君 それでは、通告に従いまして質問いたします。  今回は大項目で2問、生活支援コーディネーターについて、そして、小中一貫教育について伺います。一問一答で行わせていただきます。  まず初めに、生活支援コーディネーターについて伺います。  この制度は、別名、地域支え合い推進員と言われており、高齢者の生活支援や介護予防の基盤整備を推進していくことを目的として設置されております。保健福祉長寿局の生活支援体制整備事業の一環で、平成27年より委託事業として取り組まれております。  職責としては、地域にある社会資源を適切に把握し、住民のニーズに合わせた新しい福祉サービスの開発と育成、地域における新しい福祉ネットワークの構築、また、地域においての支援に関するニーズと取組のマッチングなどになります。  この事業については、昨年9月議会で質問させていただきました。その際の質問の1点目は、一昨年、市社会福祉協議会への委託から民間事業者である東海道シグマに変更されたのですが、その経緯とどのような効果が期待されるかについて伺い、社会福祉のノウハウを持つ民間事業者も現れてきており、そのネットワークの活用により活動の裾野が広がることを期待しているとの答弁をいただきました。  2点目の質問としては、民間事業者である東海道シグマが事業を円滑に進めるため、市はどのような支援をしていくかと尋ねましたが、市と東海道シグマ、市社協で連携を進め、必要に応じ現場に出向き、指導するなど継続的な支援をしていくと答弁されました。  前回はまだ事業途中で、これからの展開に期待すると要望させていただきましたが、来年度から事業者が一昨年の市社会福祉協議会へ変わることとなったと伺いました。言い換えれば、戻ることになりましたので、改めて事業のポイントなどを今回の質問で確認していきます。  まず初めに質問です。  令和3年度の生活支援コーディネーターで、民間事業者の取り組んだ事業について、どのように評価しているのか、伺います。  次に、静岡型小中一貫教育について伺います。  既に昨日の代表質問において大まかなことが出ておりますので、少し深く聞いてまいります。  代表質問においては、教育長が小中一貫教育がいよいよスタートすることについての考えを答弁されました。特色のある取組事例を紹介され、社会に通用する資質や能力の育成を9年間を通して指導していくと思いを述べられました。  私も期待する小中一貫教育でありますが、本市が目指す教育の在り方が大きく変わる制度であります。6年間をかけて、教育委員会をはじめ、小中学校の教員、地域の方々が主体となって協議し、小中一貫教育の推進に取り組んできた成果であると言えます。  しかし、教育長もおっしゃったように、もちろんここがゴールではなく、やっとスタートに向けた準備が整ったところであります。これからは、各グループと地域、保護者の代表と学校で組織する小中一貫教育推進委員会が9年間の一貫教育において、どう特色を出し、子供を教育していくかの方針を出していくことになります。成果を全市で共有していくと同時に、他のグループとの比較もされることになります。  出生率が過去最低を記録したとニュースになりましたが、今後、グループの教育方針によって、保護者がグループや地域を選んでいくことになるかもしれません。その点では、どのグループも重い責任を担ったスタートであります。  また、保護者や児童生徒においても、小中一貫教育の9年間をどう過ごしていくか、グループの特色は何かをしっかりと見極める必要があります。  そこで、まず伺いますが、静岡型小中一貫教育開始を控えた現在の状況はどのようになっているのでしょうか。  以上、1回目で、これより一問一答で質問します。   〔石井孝治君質問席へ移動〕 35 ◯保健福祉長寿局長(杉山友章君) 民間事業者が取り組んだ事業について、どのように評価しているのかについてですが、民間事業者が持つネットワークを活用した企業やNPO法人等の参入による地域の支え合い活動の広がりは、蒲原地区でのコロナワクチン予約支援や駿河区の高齢者施設と連携した買物支援の立ち上げが見られましたが、その成果は極めて限定的で、全市的な広がりまでには至りませんでした。  また、生活支援コーディネーターの交代が頻繁にあり、地域の関係者とのつながりを十分に築くことができませんでした。  しかし、市が求める地域の支え合い活動の担い手として、これまでにない株式会社やNPO法人等多様な主体への働きかけに取り組んだことは評価できるものと考えます。 36 ◯教育局長(青嶋浩義君) 静岡型小中一貫教育の現在の状況についてですが、本年4月に一斉スタートを控えた静岡型小中一貫教育では、小学校と中学校の縦のつながりと、学校と地域の横のつながりを強化し、9年間を通して、たくましく、しなやかな子供を育成することを目指しています。  市内43の中学校区それぞれを小中一貫教育のグループとして、平成28年度から6年間、各グループにおいて準備を進めてまいりました。  全てのグループにおいて、それぞれ共通の教育目標を設定し、児童生徒の交流や地域との連携を教育活動に位置づけた計画を策定するなど、全校一斉スタートを迎える準備が整っております。 37 ◯石井孝治君 ここからは一問一答で質問します。  まず、生活支援コーディネーターについて。  冒頭の質問への答弁は、成果があったと同時に課題もあったとのことですが、そこについて伺う前に、過去3年間の委託料の実績は幾らか、教えてください。 38 ◯保健福祉長寿局長(杉山友章君) 委託料は、令和元年度、2年度は1億45万円余、3年度は1億833万円です。 39 ◯石井孝治君 冒頭の評価に関する質問では、地域の関係者とのつながりを十分に築くことができなかったと答弁がありました。  今回、私が再度質問するきっかけとなったのも、私が伺った地域から、生活支援コーディネーターの評判が正直言って芳しくありませんでした。  例えば、年度当初に自治会連合会の定例会に来て、どのような事業を今までやってきたなどのヒアリングをやった後は、特にそれから連絡がなかったり、そもそも今まで自治会で取り組んでいた内容を知らないなど、社会福祉協議会からしっかりとした引継ぎができていたとは到底言い難い状況であったそうです。  加えて、答弁にもあったように、コーディネーターの交代が頻繁に発生した事例もあったとのことです。  そもそも高齢者の生活を地域で支えていく仕組みをつくっていくコーディネーターは、地域の信頼を得ることが前提条件であります。人が頻繁に代わるようでは、社会福祉事業は成り立ちません。  社会福祉協議会には長年の信頼が既に確立されていました。東海道シグマにも福祉事業者として年度当初から信頼があればよかったのですが、社協に代われるだけの信頼がなかったとも言えます。そのため、東海道シグマには丁寧に地域に入り込んでいく時間が、もしかしたら必要だったのかもしれません。  しかし、委託事業として本市が採択し、民間の経験を評価して任せた事業ということで、事業者任せになってはいなかったのでしょうか。その結果が、地域や団体からのよくない評価につながったとも考えます。  前回質問した際も、地域に入り込むためには市の関わりも重要であると指摘させていただきました。市も必要に応じて現場に出向き、指導するなど支援していくと答弁されています。  そこで伺いますが、自治会連合会や地域団体等へ理解を得るため、市はどのような取組を行ってきたのでしょうか。 40 ◯保健福祉長寿局長(杉山友章君) 令和3年度は、事業を円滑に進めるため、4月から5月にかけ、自治会連合会や民生委員・児童委員協議会等の地域団体の会議に延べ11回出向き、受託者の変更について説明を行いました。  その際、説明時期が遅く丁寧さに欠けるとの指摘を受けたため、令和4年度の委託に向け、12月から自治会連合会や地域団体の会議に出向き、事前に説明を行ってまいりました。  今後は、新たな受託者である市社会福祉協議会と会議に出向き、顔合わせと新年度の事業の進め方について説明を行ってまいります。 41 ◯石井孝治君 説明時期の遅さについては、答弁のとおりだと思います。また、長年の社協に代わって東海道シグマが突然入ってくる唐突感など、高齢者へのサービスを提供しようとする地域団体はどう対応すればいいのか、困惑したことだと思います。そこが市の丁寧さが欠けているといった指摘につながります。  さらに言いますと、この事業費は、先ほど御答弁いただいたように、年間約1億円もの税金が投入されています。成果が全くなかったとは言えませんが、地域と継続した協働が求められる事業において、1年で事業者が代わってしまう、言い換えれば、前の事業者に戻ってしまう。  先ほどコーディネーターの交代が頻繁にあったと反省がありましたが、来年度の生活支援コーディネーターは事業者が代わることで、当たり前ですが全員代わることになります。再度、一から信頼関係を構築する必要があります。  結果として、今年度に関しては、費用対効果としては大いに疑問が残る結果であり、事業が十分できたのか、今年取りかかった事業は継続されるのか、振り返って大いに反省する必要があると強く感じます。そういった事態は二度と繰り返してはいけません。来年度は万全の体制でスムーズな船出が必要であります。  そこで伺いますが、来年度への事業の継続や引継ぎは適切に行われるのでしょうか。 42 ◯保健福祉長寿局長(杉山友章君) 令和3年度中の事業が円滑に継続実施できるよう、新旧受託者と市の3者で協議の場を設け、引継ぎ内容を書面で確認するなど、市も積極的に関わり引継ぎを行ってまいります。 43 ◯石井孝治君 委託事業とはいえ、ぜひ当局の積極的な関与をお願いいたします。  続いて、来年度のこの事業について伺いますが、まず最初に、その選考方法について、令和3年度との相違点はどのようなものか、教えてください。 44 ◯保健福祉長寿局長(杉山友章君) 相違点は2点です。  1点目は、審査方法です。選考方法は令和3年度に引き続きプロポーザル方式で行いましたが、審査については、企画提案内容をより詳細に確認するため、書類審査に加え、プレゼンテーションを行いました。  2点目は、審査員の構成です。福祉分野の専門的視点や生活支援に取り組む事業者の視点からの評価ができるよう、大学教授や介護事業所の職員を新たに委員に加え審査を行いました。 45 ◯石井孝治君 2点の相違点、プレゼンテーションと審査員に幅を持たせたことについては一定の評価をいたしますが、年間1億円もの事業を任せる委託事業です。過去、社会福祉協議会に随意契約で委託してきたという背景があり、あまり選考方法については重要視していなかったかもしれませんが、今まで審査でプレゼンテーションもなかったというのは少し驚きであります。  来年度の事業委託の仕様書を読ませていただきましたが、委託内容について大きな変化はありませんでした。しかし、契約期間が今年度は1年間の契約期間となっていますが、来年度は3年間となっております。  契約期間を3年間の長期継続契約にした理由は、どこにあるのでしょうか。 46 ◯保健福祉長寿局長(杉山友章君) 公募1年目の本事業の取組状況を踏まえ、民間事業者による事業実施が可能であると判断した点と、事業の継続性の観点から3年間の長期継続契約としました。 47 ◯石井孝治君 今年1年間の取組状況で、民間事業者による事業実施が可能であると判断したことと継続性が理由とのことであります。私は、継続性はもちろんそうだと思いますが、民間事業者で可能であると判断した理由が少々疑問であります。  冒頭の答弁では、地域の支え合い活動の担い手として、これまでにない株式会社やNPO法人等多様な主体への働きかけに取り組んだことを評価したと言われておりました。これが可能であると判断した理由だと思います。  しかし、判断の材料は、取り組んだことではなくて、民間事業者になって実際に成果はどれだけ出たのかを明確に検証した上での判断であるべきです。  本年度は社会福祉協議会から東海道シグマに事業者が変更になりました。その際に、東海道シグマが選定された理由は、民間の活力によって支え合いの裾野が広がることを期待されたからであります。  繰り返しますが、裾野を広げることが目標であり責務で、裾野が広がるよう取り組むことを期待されたのではありません。あくまでもどれだけ広がったかが成果であります。そこの部分を取り違えてはいけません。  今回のプロポーザル公募には、合計3者が応募されたと伺っております。様々思いの籠もった取組で実効性が担保された内容が提示されたと期待しておりますが、そこで、伺います。  静岡市社会福祉協議会が選定された理由はどのようなものでしょうか。 48 ◯保健福祉長寿局長(杉山友章君) プロポーザル審査の企画提案の中で、地区社会福祉協議会等の地域の団体を核として、地域の商店や企業、NPO法人等を巻き込んだ居場所づくりや買物支援などの支え合い活動の市内全域への展開を提案している点、さらに、3区にある社協の地域福祉推進センターを活動の拠点とし、これまで以上に地域と密着した事業の推進が期待できる点を評価しました。 49 ◯石井孝治君 本年度の反省点を生かしていかなければいけないと思います。先ほど、既に12月から地域の会合に出向いて説明を進めているとお答えいただきました。前回はなかった取組であります。  それとともに、委託事業であるから任せっぱなしではなく、社協と協力して進めるべきであると考えます。それに対し、事業を円滑に進めるために市はどのように関わっていくのでしょうか。 50 ◯保健福祉長寿局長(杉山友章君) 市全体の生活支援コーディネーター事業を取りまとめる市職員は、事業を円滑に進めるために、行政区や日常生活圏ごとに配置された生活支援コーディネーターと情報共有を図るとともに、地域の課題について話し合う会議に出席するなど、地域の方々の声に耳を傾け、積極的に事業に関わっていきます。  また、毎月、事業計画と実施報告書の提出を求め、生活支援コーディネーターの活動状況を随時把握し、必要に応じて受託者に対し指導を行ってまいります。 51 ◯石井孝治君 生活支援コーディネーターについての最後の質問になります。  少子高齢化が進み、社会環境や市民ニーズが変化する中、限りある行政財産、例えば財源や人材、資産をより有効かつ適正に活用する必要があります。  なので、市が実施する事業をできるだけ客観的な評価基準に基づいて分析、評価し、市民サービスの最適化を図り、真に必要な市民サービスを継続的に提供するために、行政評価を実施することが必要になります。つまり、予算に見合った成果を上げられているのかを適正に見極めることが求められます。  そこで伺いますが、来年度の生活支援コーディネーター事業予算額及び事業評価をどのように行うのでしょうか。 52 ◯保健福祉長寿局長(杉山友章君) 令和4年度の予算額は1億317万円です。事業評価については、令和4年度から毎月、事業計画と実施報告書により活動状況を把握し、事業の進捗管理を行ってまいります。  また、年度末には実施体制や事業内容等について事業評価を行います。 53 ◯石井孝治君 意見・要望は、また後ほど言わせていただきます。  それでは、小中一貫教育について伺ってまいります。
     これまで、教育目標や教育課程は各学校が独自に編成されてきましたが、静岡型小中一貫教育の下では、基本的な考え方として、学習指導要領や第2次静岡市教育振興基本計画、そして、静岡型小中一貫教育推進方針を踏まえ、静岡型小中一貫教育カリキュラムを策定し、これにより、グループの小中一貫教育課程を編成、実施するための基本的な考え方や内容、事例を示すと記載されております。  この基本的な考え方を基に、各グループが子供たちのあるべき姿や地域の実情を踏まえて構想を立てていくことになります。  また、その方針は9年間という長いスパンで取り組まれるものであり、頻繁に変えるということはもちろん好ましくはありませんので、その内容はもとより、策定の過程は非常に重要であると考えます。  そこで伺いますが、市が示した静岡型小中一貫教育の方向性を受け、各グループにおける教育構想の策定はどのように行われるのでしょうか。 54 ◯教育局長(青嶋浩義君) 教育委員会からは、教育目標の共有、9年間を見通した教育課程の編成、教職員の協働と児童生徒の交流、そして、地域との連携、これら4つの視点を静岡型小中一貫教育の方向性として小中学校に示しました。  これを基に、各グループでは、代表校長を中心に保護者と地域、教職員から成る組織を置き、各グループ共通の目標や手だてをまとめた小中一貫教育構想について、協議を重ねながら策定に取り組んでいます。  策定に当たっては、例えば地域の産業や歴史等をテーマにした探究学習を盛り込むなど、各グループの独自性を生かしたものになるよう工夫しています。 55 ◯石井孝治君 先日の市長の施政方針では、ICTを最大限に取り入れるなど、最先端の教育活動に取り組むとされました。  本市の小中一貫教育の形態は、中山間地を除いてほとんどが施設分離型になります。そのため、小中一貫教育のメリットである縦のつながりを発揮するためには、ICTの活用が欠かせないのは言うまでもありません。  例えば、乗り入れの授業を行うにしても、移動の手間を省くことができますし、現在のコロナ禍であるからこそ本市も取り組んでいるGIGAスクール構想の出番であります。  端末の配備やネットワーク構築がほぼ終了しましたが、教育内容については、これからの部分が多いとは思います。GIGAスクールを今後小中一貫教育にどう活用していくかが重要であります。  そこで、伺いますが、GIGAスクール構想が一貫教育にどのように寄与していくのでしょうか。 56 ◯教育局長(青嶋浩義君) GIGAスクール構想の推進により、子供の学びの足跡がこれまで以上に詳細かつ多角的なデータとして蓄積され、一人一人に応じた指導に反映することができます。  これをグループ内で共有することにより、9年間を通した学びの確実な積み上げが可能になり、いわゆる縦のつながりにおいて大きな効果が期待できます。  また、横のつながりでは、ビデオ会議システム等のICT技術で地域とつながりやすくなることで、一層広く深く自分たちの地域を理解する学習が展開できるようになります。  さらに、県外や外国の人々との交流活動によって、自分たちの地域をグローバルな視点で見つめ直すグローカル人材の育成にもつなげられます。 57 ◯石井孝治君 るる答弁をいただきましたが、GIGAスクールの活用の一つとして、私はもう1つ、やはり不登校や別室登校をしている生徒へ授業を遅らせることなく届けることができるというメリットもあると思います。実際、既に本市の教育でも活用をされているとのことであります。  新たな小中一貫教育制度を取り入れることは、それまで課題であったことの解決につながります。  中1の壁というのは皆さん御承知のとおりだと思いますが、小学校から中学校に進学した際に、学習環境や生活環境、人間関係など大きな変化を受け、学校が楽しくなくなってしまったり、勉強についていけなくなったり、いじめや不登校などの問題が発生することなどを言いますが、小中一貫教育はその克服に大いに役立つとされております。  その考え方でいえば、私は特に特別な支援を必要とする児童生徒が学ぶ特別支援学級に在籍する子供たちにとっても有益な制度だと考えます。  9年間の一貫した教育によって、指導や支援の共有、切れ目のない学びの連続性、そして、支援の継続性が可能になると考えます。  本市では既に特別支援教室の小中交流などに取り組まれていると伺っておりますが、小中一貫教育が始まることにより、特別支援学級に在籍する子供たちにどのような影響があるのでしょうか。 58 ◯教育局長(青嶋浩義君) 特別支援学級では、小中一貫教育により、個別の教育支援計画に基づいた小中で連続性のある教育が可能となるため、子供一人一人の特性をより深く理解し、個性を伸ばす指導を9年間途切れなく積み重ねることができるようになります。  また、小中で一貫性のある指導の下に学校生活を送ることで、環境の変化に敏感な子供もより安心して学ぶことができます。  このように、小中一貫教育を通じて一人一人の子供が生活や学習上の困難を克服し、社会の中で自立できる力を効果的に身につけることができるものと考えます。 59 ◯石井孝治君 静岡型小中一貫教育は、縦のつながりと横のつながりを強化して、社会的な絆であるつながる力を育んでいくのが目的だということであります。  縦のつながりが小中学校間で、横のつながりが地域との連携を言います。  地域との連携では、私は以前からコミュニティ・スクールの推進について度々議会で取り上げ、取組の強化を要望してまいりました。  コミュニティ・スクールでは、学校運営に地域の方が積極的に関わり、様々な学校応援団での活動に参画しようと頑張っておられます。  一方、小中一貫教育では、小中グループとしての学校と地域をつなぐ組織を設置すると「基本的な考え方」には示されています。  小中一貫教育の特色である横のつながりに関わるその組織とコミュニティ・スクールとの関係性が非常に分かりづらいと感じております。  そこで伺いますが、小中一貫教育とコミュニティ・スクールとの関係性はどのようになっているんでしょうか。 60 ◯教育局長(青嶋浩義君) コミュニティ・スクールとは、学校、地域、保護者を構成員として、学校運営に取り組む学校運営協議会を設置した学校のことです。  この学校運営協議会を設けることで、学校、地域、保護者が連携し、一体となって学校活動等に取り組む枠組みが整うこととなるため、静岡型小中一貫教育の特色である横のつながりの取組を一層進めやすくなるとともに、持続可能なものとすることができます。  コミュニティ・スクールを市内全校及び各グループ単位で導入することにより、静岡型小中一貫教育の横のつながりを確実に強化し、全ての学校が地域と共にある学校となることを目指してまいります。 61 ◯石井孝治君 将来的には、コミュニティ・スクールが全市的に広がるということは、私も賛同することでありますので、ぜひ取り組んでいただきたいと思っております。  続いて、教職員の働き方の変化について伺います。  小中一貫教育が全ての学校において適用されることは、児童生徒の教育にとって大きな変化をもたらすことになります。9年間を通し、学校や地域から学び、どのような時代でも生き抜く力を身につけていくこと、また、よりよい社会のつくり手となることが求められます。  もちろんそのためには教える側である教職員も変わっていかなくてはなりません。しかしながら、本市の小中一貫教育に関する資料を読み込むと、教育の目的や方策などは書かれておりますが、重要な教職員の考え方、また、持つべき技能などの記載が見当たりません。  制度が変わり、児童生徒の未来に期待が大きく膨らむことはよいことですが、今、実際に教壇に立たれている教職員が、制度が変わったからといって急に変わることは難しいでしょう。  では、小中一貫教育方針に沿って、教職員がどう変わっていくべきかの指針も必要であり、実際にどのような先生に教えてもらうかは児童生徒にとって非常に重要であり、協働する地域にとっても非常に関心の高い事柄であります。  そこで伺いますが、小中一貫教育の推進に向け、求められる教員像とはどのようなものでしょうか。 62 ◯教育局長(青嶋浩義君) 小中一貫教育を推進するためには、教員には、教科指導力などこれまで求められていた資質や能力に加え、小学校と中学校のよさを互いに理解し許容していく柔軟性や新しいものをつくり上げる創造性を有することが求められます。  また、地域との深い関係性も求められるため、地域を知ろうという好奇心や地域の方と共に子供を育てようとする協働性を有していることも重要になると考えます。 63 ◯石井孝治君 創造性や柔軟性、地域との協働性も必要になるということですが、もちろん教鞭を執ることが基本ですが、正直言って、理想とされる教員像のハードルは高いと感じますし、計画的に教職員のスキルアップに取り組んでいく必要性を感じます。  小中一貫教育のメリットとして一般的に考えられるのは、小中の先生が学校を行き来することによる中1ギャップの軽減や中学校の先生が小学校で授業をする乗り入れ授業と言うそうですが、端的に言えば、小中の垣根がなくなっていくことをイメージします。  本市においても、教科担任制や乗り入れの指導は既に取り組まれていると伺っております。もちろん教員には教えるための免許が必要であり、小学校は小学校、中学校は中学校の教員免許が必要になります。  文科省は、小中一貫教育を念頭に、平成14年から隣接校種免許状取得促進のための制度を創出するなど取り組んでおりますが、全国的にも小中両免許併有の割合は、一般的には小学校教諭が6割程度、中学校教諭が3割程度で、小中一貫の利点である中学校の教員による小学校での専門課程教育が促進できない状況も想定できます。  そこで伺いますが、静岡型小中一貫教育において、人事配置上配慮していることは何か、お答えください。 64 ◯教育局長(青嶋浩義君) 小中学校間の交流人事を積極的に行っています。特に管理職の積極的な交流を通じて、小中学校それぞれのよさを吸収し合い、学校経営に反映させ、9年間の連続した学びに生かす取組を行っております。  また、教員採用試験では、小中学校両方の教員免許状を保有している受験者に加点措置を行うなど、小中学校どちらでも授業ができる人材を確保することにより、小中一貫教育を推進してまいります。 65 ◯石井孝治君 求められる教員像や人事上の配慮については理解いたしましたが、私は、小中一貫教育の鍵となるのは教職員の皆さんの働き方であると考えています。  本市の義務教育が小中一貫教育に一斉に変わることによって、先生の働き方もいま一度見直していくことが必要だと考えます。  それはなぜか。小中一貫の小中の連携を強めるためには、教職員が互いに話し合い、共通認識を深める必要があります。  そのため、小中学校間の打合せや小中学校合同の研修を行うことが有効と考えられておりますが、これらの時間を確保することが難しいという指摘があります。  日々の業務に追われる中、小中一貫教育を導入することで、特に導入初期段階を中心に業務量の増加につながる可能性があり、教職員が負担に感じたり、多忙に感じたりすることが課題であると指摘されております。  これらの課題に関しては、本市のカリキュラム解説で、協働を進めるため、校務支援システムの活用やICTのテレビ会議システムを活用した研修などに取り組むとありますが、根本的な対策はまだ明記されておりません。  現在の多忙な状況をさらに過酷にすることは本末転倒であり、児童生徒にとって悪い影響を与えかねません。そのために働き方を変えていく必要があることは、私は共通の認識だと考えております。  そこで伺いますが、小中一貫教育によって、子供と向き合う時間をどのように確保していくのか、お答えください。 66 ◯教育局長(青嶋浩義君) 小中一貫教育を推進することで、グループ内で9年間の教育計画を整理し、それぞれの小学校で共通に扱った学習内容を踏まえ、中学校での発展的な学習につなげるなど、学びを効率的に進めることが可能となり、これにより、カリキュラムに余裕が生じてくると考えます。  さらに、それぞれの学校で実施していた社会科見学などの校外学習、音楽鑑賞などの学校行事をグループ校で同じ教育目標に基づき合同で行うことで、準備や指導にかかる教職員の実務を軽減することができます。  また、地域との連携を進めることにより、しずおか学を中心とした授業への協力や学校の環境整備など、地域から学校への支援が得やすくなり、教職員が子供に向き合う時間の創出につながると考えております。 67 ◯石井孝治君 最後に、教育施設について2点伺います。  静岡型小中一貫教育は、山間地を除いてほぼ施設分離型のグループとなっております。複数小学校と1つの中学校がグループとなって形成するわけです。  今回の教育制度の大きな変革に伴って、予算はどうなるんですかといった観点からの質問ですが、教育委員会としての全体的な予算編成において変更はないとのことでした。私は、これだけ大きな変革になるので、少しは予算を伴う施策に取り組んだほうがよかったとは思いますが、これは後ほどまた要望でお伝えいたします。  では、現状、学校へ配分されている修繕や運営に関しての予算はどうなるか。額としてはそれほど大きくはないと思いますが、グループ全体で取り組む事業も出てくるでしょう。各グループの特色を出していく中で、どこに予算を使っていくかもグループ活性化の鍵となるはずです。  現状は、各学校への配分ですが、小中一貫教育となって学校へ配分される予算はどのようになるんでしょうか。 68 ◯教育局長(青嶋浩義君) 令和4年度の学校配当予算は、これまでどおり各校へ学校規模に応じた配当となりますので、グループ内で必要に応じて各学校が予算を出し合って予算を運用していくことになります。  今後は、小中一貫教育を進めていく中で、学校の意見などを聞きながら、グループの特色をさらに生かすことができるような配当方法について検討してまいります。 69 ◯石井孝治君 予算の配分についてはこれまでどおりということで、教育に関しても、やはり私は選択と集中の考え方も必要だと思っています。特に施設に関しては、アセットマネジメントの観点からも小中一貫教育になることで変えていくべきことは多いと感じております。  私は以前、学校のプールの在り方について、老朽化が進む中、民間や市営のプールを活用していくべきとの立場で質問しました。現在検討を進めてくれていると伺っておりますが、プールに関しても、グループで活用すれば経費や時間の削減にもつながります。  同じように、ふだん使用頻度が低い施設や特別用途の設備においては、共同利用も視野に入れるべきだと考えております。  そこで、特別教室や運動施設など学習関係諸室等の共同利用をどのように考えるか、最後に伺います。 70 ◯教育局長(青嶋浩義君) 小中一貫教育により、学校施設についてもグループ内で教室や体育施設を共同利用するなど、既存の施設を有効に活用していくことが考えられます。  今後は、アセットマネジメントの観点を取り入れるとともに、活動に伴う施設改修など、学校の声を聞きながら、積極的に支援してまいります。 71 ◯石井孝治君 以上が質問ですが、最後に、意見・要望を言わせていただきます。  まず、生活支援コーディネーターについて。令和3年度は正直言って事業展開の見立ての甘さがあったことは否めないと思います。  丁寧な事前準備が必要だったことは答弁であったとおりですが、来年度の事業に反映されているとのことで期待はしております。必要な事業だとは思っております。  しかし、今年度、本来であれば支援できた人ができていなかった可能性もあります。最近、市の事業で不手際が多く発覚しております。先日の市長会見では、職員の単純なミスであり、組織的な緩みもあったことは否めないと述べられました。  しかし、税金で取り組んでいる事業に対して緩みは許されません。少しぐらいいいだろう、これぐらいはいいだろう、多分大丈夫だろうで、結果として本来は必要でなかった税金や時間を消費してしまうことになります。PDCAサイクルをしっかりと回していくためにも、事前のリサーチをしっかりとする、また、進捗管理をしっかりとしておく、このことが必要であると考えております。  この生活支援コーディネーター事業に関しては、繰り返しになりますが、委託事業であるからと事業者任せにせず、生活支援が必要な高齢者のことを考え、全市的に取り組んでいただくこと、そして、明確な成果指標を設定して取り組んだことを評価するのではなく、どれだけ生活支援を提供できるようになったかをしっかりと評価するように要望いたします。  次に、小中一貫教育についてですが、教育課程については、導入まで研究校や実践校などで取り組まれており、十分対応はされていると考えますが、常に検証と修正を行いながら、この制度が形骸化しないように取り組んでいただきたいと思います。何が変わったのと聞かれることがないようにお願いいたします。  これからの対応が必要なのは、教職員の働き方と施設の運営についてだと感じました。何度も言いますが、これだけの準備と期待を持って小中一貫教育制度に変わるのですから、働き方も併せて変えていく必要があります。少なくともその議論を進めておかなくてはならなかったと感じます。  小中一貫教育導入期の働き方の負担増は、小中一貫教育にマイナスのイメージをもたらします。地域の人との協働も重要な要素ですが、逆に不安感を抱く結果になってしまっては本末転倒です。この制度は、教職員の働き方の改革が鍵となりますので、ぜひ早急な対応を検討ください。  施設に関してですが、小中一貫教育の一番の理想は施設一体型です。しかし、それは静岡市では現実的ではない。では、どうするか。集約できる施設は集約し、効率的に共同利用していくことが必要です。施設を共同で使うことによって、一体感が醸成され、グループとしてのつながりが強化されることにもつながると考えます。  予算編成も例年と変わらないと言われましたが、果たしてそれでいいのか疑問であります。  教職員の免許取得に関しても、支援制度をつくることやグループへの別枠の予算支給など、新たな取組があってしかるべきだと考えております。  全市一斉的に小中一貫教育になることは、全国的にも極めてまれな取組であります。本市の義務教育の制度が大きく変わる年になりますので、世界に輝く子供たちを育むためにも、ぜひ積極的、そして、先進的に取り組んでいただくことを要望して、全ての質問を終わります。    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 72 ◯副議長(山根田鶴子君) 次に、杉本 護君。   〔杉本 護君登壇〕 73 ◯杉本 護君 それでは、通告に従って質問します。  まず、静岡市の地域経済振興に関わって、静岡市中小企業・小規模企業振興条例をどう生かすかについてです。  新型コロナウイルス感染症拡大の下、疲弊している中小業者を支援するため、今こそこの条例を生かすときだと思います。  そこで、幾つかお聞きします。  振興条例の第12条で規定した総合計画が静岡市産業振興プランとされ、資料1にあるとおり、産業活性化懇話会が意見や助言を行い、産業振興戦略会議が意思決定します。  そこに、第13条によって、計画を実施するための意見聴取をする場として、中小企業・小規模企業応援会議が設置されました。  そこで、お聞きします。  産業振興プランの策定や推進に当たり、懇話会と応援会議はそれぞれどのような役割を担っているのか、お願いします。  振興条例の第11条で、基本的施策がうたわれています。これが、産業振興プランの中で具体化されるわけですが、分かりづらい施策があります。
     そこで、お聞きします。  振興条例第11条に規定する労働環境の改善の支援に関する施策、そして、災害時等において事業を継続するための取組の支援に関する施策、これは産業振興プランの中でどのように反映されているのか、お願いします。  さて、2022年度は第2次産業振興プランの後期計画最終年度です。この計画作成時には、新型コロナによる現在のような経済情勢を予測はしていなかったと思います。今後の計画では、ウィズコロナ、ポストコロナの施策が求められます。  そこで、お聞きします。  産業振興プラン後期計画の進捗状況や成果、次期計画に盛り込むべき新たな課題は何か、お願いします。  応援会議は、令和2年度に提言をまとめ、3つの視点で具体的な施策案を示しています。  そこで、お聞きします。  市はこの応援会議からの提案をどのように受け止めて、具体的な施策としてどのように反映させているのか、お願いします。  次に、デジタル社会についてです。  まず、個人情報の保護についてですが、国の自治体DX推進計画を受けて、本市は静岡市デジタル化推進プランを策定しました。この推進プランには、誰もがデジタル化によって豊かさを享受できる地域社会が描かれていますが、同時に、市の保有する個人情報をオープンデータ化して、企業が利活用することになります。  そのような中で、個人情報がしっかりと守られるかが問われています。2020年版情報通信白書によると、企業などが提供するサービスを利用する際の個人データの活用について、「安心・安全性を重視するべきである」、それと「どちらかというと重視すべき」、これを合わせて79%になっています。本市はこうした思いに寄り添った行政運営をすべきです。  そこで、まず、本市で保有する個人情報の取扱いについて、2点お聞きします。  1点目は、静岡市個人情報保護条例に規定する収集及び利用の制限の例外として、法令等に定めがある場合と規定されていますが、どのような法令等があるのか。  2点目は、個人情報を取り扱う業務を外部委託する場合に、受託業者における個人情報の取扱いに制限があるか、また、受託業者において情報漏えいが発生した場合の処分規定は設けているか、お願いします。  国が個人情報保護法を改定する下で、情報の収集や利用の制限を例外的に認める場合に、本人通知義務を規定する自治体が、今、増えています。また、デジタル先進国では、個人情報保護の強化が欠かせないものとなっています。  EUの一般データ保護規則──GDPRをはじめ、台湾、韓国などでは、個人情報を守るための忘れられる権利、つまり自分のデータの完全削除、消去、利用停止を求める権利など、個人情報の扱いを自分で決定する権利が確立しています。  さらに、AIなどを用いて、人物像や今後の行動などを推測して特定のカテゴリーに分類するプロファイリングは、クレジットカードの自動審査などに使われていますが、これは適切な保護を必要とする個人の権利と自由に重大なリスクをもたらす可能性があるとされ、GDPRには、プロファイリングに異議を唱える権利、自動処理による決定の対象にならない権利などが盛り込まれています。  そして、違反した企業への罰金は、日本は最高1億円であるのに対し、GDPRでは巨額の罰金が規定されて、最近ではアマゾンに970億円の制裁金が科されています。  また、顔認証データの収集は監視社会をつくります。JR東日本が顔認証機能付カメラを駅や車両基地などに設置して、データベースに登録した刑務所の出所者や仮出所者などと照合しています。まさに監視社会の始まりであり、このような社会を望んでいる市民はいないと思います。  そこで、静岡市個人情報保護条例の改正に関して、2点お聞きします。  1点目は、市が保有する個人情報を匿名加工すれば、第三者に提供できるのか。  2点目は、本市の保護条例に本人通知義務、忘れられる権利、プロファイリングを拒否する権利、そして、顔認証の収集を原則禁止、こういった内容を規定すべきと考えますが、市はどのように考えるのか、お願いします。  次に、ジェンダー平等社会について。まず、令和3年度男女共同参画に関する市民意識調査についてです。  調査の結果から、今後留意する主な観点として、ジェンダー平等問題について男性のほうが認識が弱いが、しかし、意識の変化は大きいこと、また、市内の様々な社会的アクターへの働きかけや連携を強化すること、そして、女性の困難に対応する柔軟な行政などが挙げられています。調査結果は、2023年度からの新たな男女共同参画行動計画策定の重要な資料となります。  そこで、お聞きします。  市民意識調査の結果を受けて、これまでの取組の成果と課題についてどう考えているか。また、次期行動計画策定ではどのようなメンバーが関わり、どのような議論を積み重ねていくのか、お願いします。  次に、リプロダクティブ・ヘルス/ライツについてです。  これは、性と生殖に関わる健康と権利と訳されます。1994年にカイロで開催された国際人口開発会議──ICPDで公式に提唱され、具体的には4点、女性自ら妊娠を調整し抑制できる権利、全ての女性が安全な妊娠と出産を享受できる権利、全ての新生児が健全な小児期を享受できる権利、そして、性感染症のおそれなしに性的関係が持てる権利などとされていて、子供を産む本人である女性の自己決定権が基本的な人権として尊重されるべきという概念です。  現在、日本では人工妊娠中絶件数は年間16万件前後で、10歳から20歳代で半数を超えます。同意なき性行為、性暴力や経済的理由、未婚などによるものです。そして、多くの女性が中絶したことを抱えながら深く傷つき苦しんでいます。  同意なき性行為について、ジャーナリストの伊藤詩織さんのように裁判所に訴える方はほんの僅か。多くの女性は泣き寝入りしているのが現状です。性犯罪のない、女性の権利が保障される社会をつくるのは、政治の責任であり、本市が取り組むSDGsのターゲットの1つにもなっています。  そこで、お聞きします。  市は、このリプロダクティブ・ヘルス/ライツについてどのように受け止め、そして、どのように取り組んでいるのか、お願いします。  近年、性被害に遭う子供の年齢も低年齢化しています。性犯罪の加害者にも被害者にもならないためには、性教育は必要ではないかと思います。  性教育については、国連が日本に対して、思春期の女子及び男子を対象とした性と生殖に関する教育が学校の必修カリキュラムの一部として一貫して実施するよう勧告しています。どのような性教育をするのがいいのか、また、どこまで教えるべきなのかなど、教育の現場と保護者の間でも考え方の違いなどもあるのではないかと思います。  子供の年齢、発達に応じた科学的な包括的性教育として、ユネスコの国際セクシュアリティ教育ガイダンスがあり、これが国際的な指針となっています。日本では、秋田県が中学校、高校での性教育講座で、生命の大切さ、性感染症、男女交際、妊娠、出産、避妊、妊娠中絶などについて産婦人科医や内科医が学校ごとの実態に即した講演を行っています。そうした取組で10歳代の人工中絶がピーク時の3分の1に減少し、全国平均も下回るようになったということです。  ここで、お聞きします。  小中学校の学校現場では、どのような性教育をしているのか。また、どのような課題があると考えているのか。  以上、1回目です。 74 ◯経済局長(加納弘敏君) 中小企業・小規模企業振興条例に関する4点の質問にお答えします。  まず、産業活性化懇話会と中小企業・小規模企業応援会議の役割についてですが、産業活性化懇話会からは、次期産業振興プランの策定に当たり、目指すべき姿やその実現に向けた政策の方向性などについて御意見をいただくとともに、プランの推進について指標や実施事業全体の進捗状況を確認していただいております。  一方、中小企業・小規模企業応援会議からは、プラン策定に当たり、より現場目線で中小企業等を取り巻く環境や課題、それを踏まえた具体的な支援策等について御意見をいただくとともに、プランの推進については、主に個別事業の改善、拡充に向けた御提案をいただいております。  次に、中小企業・小規模企業振興条例に規定する基本的施策の産業振興プランへの反映状況についてですが、条例第11条に規定する市が講じる中小企業・小規模企業等の振興に必要な基本的施策は、第2次産業振興プランにおいて、分野ごとにそれぞれの将来像と政策、施策の体系をまとめた分野別計画に示されています。  御質問の労働環境の改善の支援に関する施策については、同プランの商工・物流分野における施策の1つ、良質な就労環境の創出として記載されています。  また、災害時において事業を継続するための取組の支援に関する施策も同様に、中小企業の経営基盤・競争力の強化として記載されており、これに基づいて、BCP作成に向けたセミナーや補助事業等を実施しております。  次に、第2次産業振興プラン後期計画の進捗状況と成果、次期計画に盛り込む新たな課題についてですが、まず、進捗状況は、プランの全体目標として掲げた市内総生産額3兆2,140億円、市内従業員数34万3,100人はいずれも達成見込みでありまして、個別の取組の成果指標についてもおおむね達成が見込まれており、ほぼ順調に進捗しております。  その成果としては、物流関連企業の立地や産学官連携による海洋資源を活用した産業化など、地域経済を牽引する戦略産業の振興、創出が図られたこと、市産学交流センター内へのコ・ワーキングスペースの設置など、様々な主体による連携型の支援体制が構築できたこと、そして、企業OBの活用促進やNEXTワークしずおかの設置などにより、多様な人材の育成、確保を推進できたことなどが挙げられます。  また、次期計画に向けた課題ですが、これまでの成果を次につなげていくとともに、グリーンやデジタルといった世界的な潮流やコロナによる様々な環境変化をどのように本市の産業振興につなげるかが肝要となりますので、これらの視点をしっかりと押さえてまいります。  最後に、中小企業・小規模企業応援会議からの提案の受け止めと施策への反映状況についてですが、この会議からは、中小企業が抱える課題解決に向け、知る・知らせる、新たに取り組む、学ぶの3つの視点からの御提案をいただいており、本市の支援策検討に当たって、大変有意義な御意見として受け止め、しっかりと施策に反映するよう努めております。  具体例として、知る・知らせるの視点では、企業同士、学生などのつながる場として、コ・クリエーションスペースを設置したほか、WeWorkを活用した首都圏プロモーションや企業の価値を情報発信する各種表彰事業の効果的な実施などに反映しています。  次に、新たに取り組むの視点では、デジタルトランスフォーメーションの推進や、事業再構築などに向けた支援、また、兼業、副業人材の活用を図る事業の立ち上げなどに反映しております。  そして、学ぶの視点では、高校生や大学生が地元の中小企業について学び、関心を持っていただくといった施策などの実施に反映してございます。 75 ◯総務局長(渡辺裕一君) 個人情報の保護に関する4点の質問について、一括してお答えいたします。  まず、静岡市個人情報保護条例における収集及び利用の制限の例外となる法令等についてですが、当該法令等は複数あり、住民基本台帳法や公職選挙法などが挙げられます。前者は、個人の戸籍情報に変更があった際に他市町村からその内容を受け取る場合、後者は、選挙人名簿を作成するために住民基本台帳の記録を利用する場合が例外に当たります。  次に、静岡市が委託した事業者における個人情報の取扱いについてですが、受託業者との契約事項に、個人情報の収集、利用、提供の制限や個人情報を含む資料の複製制限などを規定しております。  情報漏えいがあった場合の処分規定については、条例で、事業者が正当な理由なく個人の秘密が記載されたファイルを第三者に提供した場合は、2年以下の懲役または100万円以下の罰金、業務で知り得た個人情報を不正な利益を図る目的で第三者に提供したり、盗用したりした場合に、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処することなどを定めております。  次に、市が保有する個人情報を匿名加工すれば第三者に提供できるかについてですが、令和3年5月に改正個人情報保護法が公布され、地方公共団体では2年以内に条例を改正する必要があるため、現在その準備を行っているところでございます。  匿名加工した個人情報は、改正法の規定に基づき提供が可能となるため、今後、運用に当たって加工方法や使用目的が適正かどうかの審査手続などについて、国等と情報交換を行って整理してまいります。  最後に、本人通知義務などの内容の規定についてですが、本人通知義務については改正法に規定がございますが、いわゆる忘れられる権利などについては改正法に規定がないため、今後、国等からの情報収集に努めてまいります。 76 ◯市民局長(秋山 健君) ジェンダー平等社会についての2点の質問にお答えいたします。  最初に、市民意識調査の結果を受けての第3次男女共同参画行動計画の取組の成果と課題及び次期計画策定のプロセスについてですが、第3次行動計画に基づき固定的性別役割分担意識の解消に取り組んでおりますが、今回の調査では、68.5%の人が男女の役割を分けて固定的に考えることについて反対と回答しており、令和元年度の内閣府の調査の59.8%を8.7ポイント上回りました。  中でも、重点目標として取り組んでいる、男性にとっての男女共同参画の推進においては、成果指標である男性の育児・介護休業の取得に賛成と回答した男性が79.0%で、令和4年度の到達目標である80%をほぼ達成しています。これらのことから、市民の皆さんのジェンダー平等意識の浸透というこれまでの取組の成果を確認できました。  一方で、男女とも仕事と家庭生活をともに優先したいと望みながら、実際には男性は仕事を、女性は家庭生活を優先せざるを得ない状況であり、従来の男性中心型雇用慣行が根強く残っているという現状、課題が明らかになりました。  このため、今後は男性の家事、育児等への参画促進や女性のキャリア形成支援に加え、男女とも働きやすく、能力を発揮できる職場となるように、経営者層等への働きかけを行ってまいります。  次に、第4次行動計画の策定ですが、令和3年11月に、附属機関である男女共同参画審議会に対して計画策定の諮問を行いました。審議会では、学識経験者、団体代表、市民委員など20代から70代までの委員15名で検討を行っています。  今後は、市長をトップとする庁内組織の男女共同参画推進会議においても議論を深めるとともに、パブリックコメントなどで広く市民の皆さんの意見を聞きながら、計画を策定してまいります。  続いて、リプロダクティブ・ヘルス/ライツをどう受け止め、どう取り組んでいるのかについてですが、本市では、リプロダクティブ・ヘルス/ライツの重要性を踏まえ、その視点から、第3次男女共同参画行動計画の基本目標10の「生涯を通じた男女の健康支援」において、心身両面における健康支援や相談体制の充実など、総合的な取組の必要性を明記しています。  このリプロダクティブ・ヘルス/ライツは、人が生まれながらに持つ権利であり、その権利が侵害されないようにするためには、性に対する正しい理解や知識を持ってもらうことが重要です。  そのため、男女共同参画の視点から、性や妊娠、出産などに対する正しい理解を深め、相手を思いやることの大切さを伝えるため、中学校出前講座「豊かなセクシュアリティ」やデートDV防止の高校出前講座を開催しております。  そのほか、静岡市女性会館で週5日、女性のための総合相談を実施し、ジェンダーの視点に立ち、女性の心や健康などの悩み、問題の解決のため支援を行っております。 77 ◯教育局長(青嶋浩義君) 小中学校における性に関する指導の現状と課題についてですが、学校現場においては、学習指導要領に基づき、児童生徒が性に関して正しく理解し、適切に行動を取れるようになることを目的に性に関する指導を実施しています。  具体的には、小学校体育科で体の発育、発達を、中学校保健体育科で生殖に関わる機能を、特別活動では男女相互の協力について指導しています。その際、集団で一律に指導する内容と児童生徒の個々の状況に応じて個別に指導する内容を区別するなど、計画性を持って指導しています。  課題としては、教員では対応が難しいより専門的な支援の充実も必要であることから、教育委員会では、民間教育力活用事業として、学校のニーズに応じて性感染症や望まない妊娠等について指導するため、医療関係者を派遣するなどの対応を行っています。  今後も、児童生徒の発達段階を踏まえ、学校全体の共通理解の下、性に関する指導を実施してまいります。   〔杉本 護君登壇〕 78 ◯杉本 護君 それでは、2回目の質問を続けます。  中小企業の支援策についてです。  新型コロナが収まらない中で、中小業者は経営を維持するために必死の努力をしています。この間、ある理容店から、飲食店ばかり支援して、コロナで影響があるのにどの支援も当てはまらない。市は何もしてくれない、こういった怒りの声をお聞きしています。  新型コロナ対策として、国は売上げが30%以上減少した事業者に支援金、県は売上げが20%以上30%未満減少した事業者に応援金を支給します。しかし、中小業者は売上げが僅か10%減少しても赤字となります。市はこのように困っている事業者全てを支援すべきです。  そこで、お聞きします。  国、県と連携して、本市が売上げ10%以上20%未満減少した事業者を対象とした給付金を創設すれば、少なくとも売上げが10%以上減少した全ての事業者に支援の手が届くのではないかと考えますが、市の考えはどうか、お願いします。  中小企業の支援策として、もう1点伺います。  日本共産党市議団は、住宅リフォーム助成制度の創設を一貫して求めています。市内の建築業界も高齢化が進み、後継ぎがいないなど、この先が危ぶまれています。  この制度は県内20の市町で継続的に実施され、指定した材料などの条件がない制度は、屋根工事や水回りなどにも使えて、使い勝手がよいと仕事おこしになっています。また、経済波及効果も京都府与謝野町で24倍という数字が示され、この間、質問のときにお答えになった市の地域消費促進事業の波及効果6.6倍をはるかに超えています。なぜ本市は取り組まないのか不思議でなりません。  改めてお聞きします。  建築に関わる業者の仕事づくりや地域経済の振興策として、住宅リフォーム助成制度を創設すべきと考えますが、お答えをお願いします。  デジタル社会についてですが、1回目の質問で、我が国の改正個人情報保護法はいわゆる忘れられる権利などの指定はなく、全く不十分なままデジタル化を進めていることが明らかになりました。その状況で市民のプライバシーを守る最後のとりでは地方自治体です。  デジタル庁はガバメントクラウドの先行事業に、米国のアマゾン社のAWSとグーグル社のクラウドサービスを使うと発表しています。そして、地方公共団体情報システムの標準化に関する法律の第10条では、地方公共団体は、クラウドを活用して地方公共団体情報システムを利用するよう努めるとなっています。しかし、これは義務とはなっていません。  さて、米国のクラウド法では、自国の企業に対して、所有、保護及び管理するデータの提供を求めた場合、企業はこの命令に従わなければならないことになっています。つまり、自治体が情報システムの管理に米国のアマゾンやグーグルのガバメントクラウドを使うと、自治体の保有する重要な個人情報が米国政府に渡ることになります。そうなった場合、市はどのように責任を取るのでしょうか。  そこで、お聞きします。  米国政府からの情報開示請求を拒めないアマゾンやグーグルのガバメントクラウドを使うべきではないと考えますが、市の考えはどうか、お願いします。  次に、マイナンバーカードの利用についてです。  本市の交付率は、お手元の資料2のとおり、2019年までの4年間で僅か15.15%だったのに、2020年にカード取得者にポイントの付与というサービスをつけてから、2022年1月末で41.96%になっています。まさにニンジンをぶら下げて普及に躍起になっている姿が見えますが、逆に見れば、市民は必要性を感じていないということです。  政府は、マイナンバーカードの機能拡大を進めています。マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせ、将来は運転免許証や大学の学生証、在留カードとの一体化、さらに、全ての預貯金口座や国税、年金とマイナンバーカードとのひもづけも企んでいます。このように、1つのカードに多くの情報が集約されれば、情報漏えいの危険性も高まります。  ですから、デジタル先進国では個人情報を保護するための法整備を進め、国民の理解を得る努力をしています。しかし、今の日本はそうなっていないのは先ほど来の質問でも明らかだと思います。  そこで、お聞きします。  個人情報を保護する仕組みや情報漏えいした場合の責任、補償などが不十分な下で、マイナンバーカードの普及促進はやめるべきと考えますが、市の考えはどうか、お願いします。  次に、リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関して、もう1点お聞きします。  昨年9月、私が9月議会で質問したとき、学校トイレに生理用品の設置を求めた際、当局は、児童生徒に直接渡すことが悩みなどを捉えるきっかけとなり支援につながる、こういった旨の答弁をし、設置には否定的でした。  しかし、本日言っているこのリプロダクティブ・ヘルス/ライツの視点に立てば、子供を産む機能を持つ女性には、いつも清潔でいられる権利があります。その意味では、本来、全ての公共施設のトイレにトイレットペーパーがあるように、生理用品もある社会が求められると思います。そうした社会を学校のトイレで実現するのは、生きた教育と思います。  改めてお聞きします。
     リプロダクティブ・ヘルス/ライツの視点に立って、学校のトイレに生理用品を設置すべきと思いますが、いかがでしょうか。  以上、2回目です。 79 ◯経済局長(加納弘敏君) 中小企業支援についての2点の質問にお答えいたします。  まず、売上げが10%以上減少した事業者に対する支援についてですが、令和2年度にエール静岡事業者応援金、また、本年度に静岡市事業者応援金をそれぞれ実施した際、支援対象として30%以上の売上げ減少を基準として設定いたしました。これは、制度設計の際、中小企業診断士や金融機関、経済団体関係者などへのヒアリングにおいて、経営改善などの企業努力のみでは早期の回復が難しい水準として30%以上の売上げ減少が1つの目安として示されたことを踏まえたものでございます。  現時点においても同様と考えることから、売上げ減少が30%に満たない事業者に対する現金給付による支援は、現在、考えておりません。  次に、住宅リフォーム助成制度の創設についてですが、建築に関わる事業者も含め、中小事業者全般に対する支援として、これまでも資金繰り支援や経営相談等により、事業継続に向けた支援を行っております。  また、地域経済の振興施策として、消費喚起事業などを通じ、様々な事業者への支援に取り組んでいるところでございます。  このようなことから、現時点で住宅リフォーム助成制度を創設する予定はございませんが、引き続き、現在実施している施策を通じ、幅広い事業者への支援に努めるとともに、事業拡大や新分野への進出などに前向きに取り組む中小企業者に対する新たな支援なども行い、地域経済の振興に努めてまいります。 80 ◯デジタル統括監(猪鼻信雄君) アマゾンやグーグルのガバメントクラウドの利用についてですが、国においては、国及び地方公共団体の情報システムを共同利用するガバメントクラウドサービスの提供事業者について、裁判管轄を国内とするなどのセキュリティー要件を付して公募し、現時点では、議員御指摘のとおり、米国に本社を置く2社を選定しました。  現時点で国からのガバメントクラウドの利用について詳細が示されていないことから、動向を注視しつつ、今後、本市においてもシステム標準化対象20業務のクラウド利用について検討を進めてまいります。  次に、情報漏えいなど個人情報保護への課題がある中でのマイナンバーカードの普及促進に係る考えについてですが、このマイナンバー制度においても、情報漏えい等に対する様々なセキュリティー対策が講じられております。  まず、市民の皆さんがお持ちのマイナンバーカードには、御本人のお名前や住所、生年月日、性別の基本4情報が記録されておりますが、これ以外の連携情報である税金や年金、病歴といったプライバシー性の高い情報はカード内に記録されておらず、万が一カードの盗難や紛失があっても、カード単体では本人の重要な連携情報が漏えいすることはありません。  また、運用を行うシステム面においても、情報漏えいの連鎖を防ぐため、データの分散管理が行われており、容易に連携情報を含めた全体の情報が分からない仕組みとなっています。  さらに、マイナンバー情報を盗用、あるいは情報流出させるといった不正行為には、番号法第48条から57条にかけ罰則規定が設けられており、最高4年以下の懲役または200万円以下の罰金刑となるなど、抑止措置が講じられております。  マイナンバー制度は、今後の行政のデジタル化における全国的な基盤となる制度であり、市民の皆さんに安心して御利用いただけるよう厳格な運用に努め、引き続きカードの普及促進と活用について取り組んでまいります。 81 ◯教育局長(青嶋浩義君) 学校のトイレに生理用品を設置することについてですが、学校では、生理用品が保健室にあることを周知するとともに、必要となった児童生徒には、必要に応じた個数を配布し、安心して過ごすことができるよう対応しております。昨年5月からは、コロナ禍における女性の負担軽減支援として返却を求めないこととしています。  思春期には体の変化が顕著になるため、児童生徒が自分の体の変化について理解することが必要です。本市では、生涯を通じて自己の健康管理が適切にできるよう、発達段階に応じた保健指導をしながら生理用品を手渡すことがより大切であると考えます。  今後も、児童生徒がいつでも安心して相談でき、心身ともに健康な学校生活を送ることができるよう支援してまいります。   〔杉本 護君登壇〕 82 ◯杉本 護君 3回目は意見・要望を言います。  まず、産業振興プランですが、先ほどの答弁でかなりそれなりの策は行っているし、成果は上がったと思っています。しかし、私が質問した振興条例にある災害時の支援に関する施策、それが中小企業の経営基盤・競争力の強化にあると答えているんですが、私も読んだんですけれども、どこにも災害時の施策はありません。  先ほど答弁でBCPと言いましたが、BCPのBの字も入っていません。時間がないので紹介できませんが、皆、平時における施策ばかりです。  強いて言うなら融資がありますが、もしこれをもって災害時の施策と言うなら、このプランをつくるために多くの方々が関わって協力しているわけなんですが、そうした方々にも大変失礼な話だと思います。  東日本大震災の被災地では、災害後、店舗や工場などを再建する設備投資への補助金などを各地で行っています。振興条例を全面的に生かして、今後検討する第3次産業振興プランには、そういった具体的な施策をぜひとも反映させていただきたいと思います。  次に、中小企業の支援についてです。  給付型の支援はしないということですが、新型コロナは災害ですよね、市長。大災害です。ですから、売上げが下がったのは本人の責任ではないんです、災害ですから。ですから、全ての業者を救うのがSDGsの精神です。  そういう意味では、何%というふうに切るのではなくて、困っている業者全員を支援するという発想が必要ではないかと思います。  さらに、住宅リフォーム助成制度についても、今回も前向きな答弁をもらえませんでした。ところが、産業振興プランには卸・小売、サービス、製造業、農林水産業と様々な業種に対して、一定程度そこにターゲットを当てた施策があります。しかし、建設業にはそういった具体的な施策がないと僕は思っています。  ですから、建設業は何十種類という業種があって、ほとんどが中小業者は下請業者となっています。しかし、この住宅リフォームというのは、元請になることができる仕事なんですね。まさに仕事おこしです。そういう意味では、必ず来ると言われる東海地震、復興・復旧の最前線に立つのがやっぱり建設業者ですから、この方々の役割、社会インフラとも言うべき存在であり、その育成のためにも再検討をお願いしたいと思います。  次に、デジタル社会についてです。  デジタル化によって便利なこともあると思います。 83 ◯副議長(山根田鶴子君) あと1分です。 84 ◯杉本 護君(続) しかし、個人情報保護を強化し、市民の理解と一体でなければなりません。当局は、マイナンバーカードについて情報漏えいの対策を施していると答弁しましたが、危険性がなくなるわけではありません。  そもそもマイナンバーカードは国民の所得、資産、社会保障、給付、こういったものを把握して国民への徴税強化、給付削減を目指すことがつくったときの当初の考え方です。こういったものはやめるべきだと思います。  最後に、ジェンダー平等社会についてです。  本市の学校現場における性教育については、ぜひとも国際セクシュアリティ教育ガイダンス、これを踏まえて議論を積み重ねていただきたいと思います。  また、学校トイレへの生理用品設置の問題ですが、全国では、急に始まったら保健室では間に合わない、あるいは健康管理に必要だ、こういった配慮をするということを前提に始まっています。ぜひ本市もそうしたことをもう一遍検討を加えていただきまして、設置を求めてすべての質問を終わります。 85 ◯副議長(山根田鶴子君) この際、暫時休憩いたします。         午後2時41分休憩    ───────────────────         午後2時55分再開 86 ◯議長(鈴木和彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  総括質問を続けます。  次に、鈴木直人君。   〔鈴木直人君登壇〕 87 ◯鈴木直人君 それでは、通告に従いまして質問させていただきます。自民党の鈴木直人でございます。  大項目、持続可能な活力ある都市経営について、中項目、広域連携についてお伺いします。  先般、懐かしい未来にあふれたより懐の深い世界に輝く静岡の実現を追い求めていくという市長の施政方針をお聞きしました。  4次総では、世界に輝く静岡の実現に向けて、これまでの5大構想を進化させた7つの柱を軸に、人流をつくり、人を呼び込む施策を推進していくとのことでありましたが、市長も述べられていたように、我が国の問題として人口減少と少子高齢化があります。  私の住む地域も高齢世代の割合が市の平均を上回る状況で、町内会や自治会といった住民組織の担い手が不足し、地域コミュニティの機能の低下が懸念されています。  地域住民によって構成される消防団の団員数の減少は、地域の防災力を低下させる要因にもなります。そして、若年層の減少は地域の風習や伝統文化の継承を困難にし、お祭りのような伝統行事が継続できなくなるおそれが生じます。  地域の生活サービスをより充実させ、次の世代が豊かな心で暮らせる環境づくりを進めていくことが、私たちの進むべき姿であることに疑問の余地はありません。  しかしながら、人口減少、少子高齢化の時代に、施政方針で述べられた関係人口、交流人口の拡充推進策を一自治体で見いだすことは困難であり、近隣自治体と問題を共有し、対処することも一考かと思います。  昨日、公明党の長島議員が代表質問で触れられておりましたが、2017年より静岡市は中部5市2町と連携中枢都市圏の枠組みで共同事業を展開しています。不交付団体や7つの自治体それぞれに個性、特性があり、事案によっては都市間競争でライバル関係となることもあります。  こうした関係性を理解した上で、関係人口、交流人口の拡充を目指すことは、それぞれの利害を超えた各自治体共通の利益です。一丸となって人を呼び込む事業推進は、持続可能な活力ある都市経営を進める上で必要であると考えています。  しかしながら、平成29年からの第1期5年間の取組を見ると、観光交流、職員派遣などの人的交流が主流であり、もっと様々な分野の取組を行うべきであると考えます。  特に交通インフラ──空港、港、道路を積極的に活用した経済交流が進んでいないことは残念でなりません。富士山静岡空港、2つの高速道路、4車線化が進む国道1号バイパス、清水港の補完港である御前崎港へ直結する高規格道路金谷御前崎連絡道路、さらに南北軸国道473号バイパスと東西軸1号バイパスとの接続が間もなく終了し、今後、内外に大きなインパクトを与えられる陸、海、空一体の交通ネットワークを形成します。  産業振興の交流の拠点として、また、日本と海外の中継地点として、一大経済圏となれる可能性を秘めている都市圏であり、こうした視点から、7自治体が協働して人口交流、関係交流促進につながる都市圏づくりを目指すことも一案かと思います。  これからも、市長にはこの110万人余の経済規模を誇る5市2町のリーダーとして包括的に課題に取り組まれ、邁進されますことを期待しております。  そこで、質問いたします。  令和4年度から第2期目を迎える中部5市2町の連携中枢都市圏のビジョンですが、1期目の振り返りと2期目を迎えるに当たっての市長の意気込み、将来像をお聞かせください。  これで第1回目の質問といたします。 88 ◯市長(田辺信宏君) 私からは、大項目、持続可能な活力ある都市経営についてのうち、広域連携について、連携中枢都市圏の1期目の振り返りと2期目の意気込みはどのようかとの御質問にお答えいたします。  議員御指摘のとおり、人口減少、少子高齢化の進展、地方自治体を取り巻く環境はますます厳しく、地方創生が求められております。  こうした流れの中で、いわゆる平成の大合併が落ち着いて、次に国が打ち出してきたのが、もう少し緩やかな、合併に代わるキーワードとしての連携であり、平成26年に連携中枢都市圏制度が打ち出されました。  私は、広域行政の必要性、例えば観光政策、市域を越えた取組をしていく必要性があると、県中部地域の一体的な発展を目指したいという思いから、この制度を活用し、早期に4市2町に働きかけ、各市町の議会の御承認もいただき、しずおか中部連携中枢都市圏を形成するに至ったのが、平成29年のことでありました。  以来、今日までの1期目の5年間、この5市2町の枠組みを得て、私は主に2つのことに注力してまいりました。  まず1つ目は、県内外の交流人口の拡充の礎をつくるということであります。  そのためには、富士山静岡空港、清水港、新東名、中部横断自動車道、この恵まれた社会インフラを活用して、市域を越えて点在している観光資源をつなげた観光商品のプロデュースをしていくというかじ取り役になる地域連携DMOのするが企画観光局を設立し、現在、私が理事長を務めておりますけれども、それをこの5市2町が支援するということであります。  あるいは、この圏域内のいわゆるマイクロツーリズムを促進するという点で、各市町のイベント情報を発信する「GO TO」を本市の広報課を中心に編集、発行し、今ではこの圏域を代表する取組として定着しております。  国内外から着地型観光を目指すDMOを活用して、交流人口を拡充するという点は、この2年間、コロナ禍の中で悪戦苦闘しております。ただし、圏域内の交流人口の拡充ということについては、この「GO TO」の発行により一定の成果は見たと受け止めております。  2つ目は、人間関係の構築であります。  議員御経験の中で、もう御承知だと思いますが、行政を前に進めるためには、まず、人と人との信頼関係が重要であります。緩やかな制度であります。それぞれ各市町は主権を持っています。方向性があります。総論賛成、各論反対ということもあるわけです。それを乗り越えて絆を深め、共通の目標に向かって進んでいく。そのためには、人間関係が大事だという観点から、私は日頃から4市2町それぞれの首長と緊密に連絡を取り合うことを心がけて、その絆は5年前よりも強まったと実感しております。  ただ、首長だけでは駄目であります。職員同士の人間関係もつくらなければいけない。それぞれの市町が県と人事交流をしたけれども、そうではなくて、各市町間の人事交流を進めていく。一体感のある圏域となる1つの礎として、一旦停止をしていた自治体間の職員の人事交流を復活させ、本市と4市2町の間の実績はこの5年間で30名を数えております。こうした絆も今後の連携の大きな礎になるものと考えております。  さて、お尋ねのこれら1期目の振り返りを踏まえ、2期目の意気込みはどうかという点であります。これからが大切だと私も認識しております。  なお、2期目の計画期間を迎えるに当たっては、昨年11月の首長会議において、改めて圏域が目指す将来像を海、山、街道を生かした多極連携・交流都市圏というビジョンを掲げることについて合意し、引き続き圏域の一体的な発展を目指すことを確認いたしました。  そこで、先日私の施政方針で申し上げたとおり、この広域行政もデジタルとかグリーンとか、目下大きなうねりになっている経済社会変革、これに乗っていかなければなりません。そして、より地域経済の活性化につながる、あるいは住民サービスの向上につながる取組について議論を深めていかなければならないと考えております。  連携、これは緩やかな制度的な枠組みですけれども、今後も地方行政の運営の重要なキーワードであります。一方で、それぞれの自治体にはそれぞれの成り立ちがあり、歩みがあり、考え方も様々であります。5市2町の連携を今後円滑に進めていくためには、静岡市の考えを示しつつも、他の市町の意向も酌み取っていかなければならないという局面も、平坦な道のりではありませんが、この1期目の5年間の作業を糧に、より強固な絆と大きな目標を持って、一体的な発展を目指し、この地域を牽引していくんだという決意を今、新たにしているところであります。  議員の御協力と御支援を今後ともよろしくお願い申し上げます。   〔鈴木直人君登壇〕 89 ◯鈴木直人君 ただいま市長に御答弁をいただきました。ありがとうございました。  それでは、2回目の質問に入らせていただきます。  中項目、企業誘致に関してと財源確保について、お伺いします。  近隣市町との緩やかな相互扶助の関係を続けながら、一方で、まちの活力である定住人口の維持、人を減らさない静岡市独自の取組を模索しなければなりません。  生産年齢人口の減少が進み、税収減が想定される中で、5大構想で掲げる重要施策、健康長寿社会の充実と安心して子育てできる環境づくりを進めるためには、財源の堅実な原資の確保が不可欠であり、一定の経済力を持たなければ成し遂げられません。  国から地方への交付金で基本財政は支えられておりますが、国も豊かではありません。また、国家戦略で脱炭素、デジタル田園都市構想の歳出も増加する以上、自主財源の確保は各自治体の責務であります。  本市は、5大構想の拠点づくりやアリーナ建設などの事業で、PFI、PPPなどの民間活力を導入し、財政支出の平準化を図られるとのことですが、高度経済成長期に建設された公共施設や道路、橋、上下水道といったインフラの老朽化問題への対応も必要となり、歳出額は膨らみます。また、社会保障費は年々増加しています。  市民一人一人が輝いて、自分らしい人生を謳歌できるまちづくりのためには、こうした財政課題を克服すべく雇用を創出する環境づくりを重点に施策を講ずる必要があると痛感いたします。  昨年12月に開催した高校生との意見交換会の事後アンケートでは、まちづくりで特に大切に思うことに、「雇用」が「子供」、「教育」の次にランクされました。稼ぐ力を増やすことで税収が増え、財源の確保につながります。また、移住・定住を促進させるための受皿として、稼ぐ場所をつくることにより、人を呼び込むことができ、まちに活力が生まれます。家計が苦しければ、人の心を満たすことは難しく、人はまちに繰り出せません。  国の政策で、東京一極集中が見直されている今、この10年余りの取組を精査し、静岡市の優位性を洗い直し、雇用を生み出す企業誘致を積極的に働きかけるときかと思います。  企業が重視する立地条件は、社会基盤の充実、人材確保のための人口規模と教育環境、土地の価格、そして、自治体の助成などが上位を占めます。  本市は1年を通じてほとんど積雪のない温暖な気候と長い日照時間といった恵まれた生活環境の中で、東西の要衝として発展してきました。  清流の一級河川、安倍川、藁科川、興津川は水源から河口までが市内域にあり、企業が必要とする水の確保にも対処しやすい自然の恵みがあります。平地が少ないながらも交通の利便性は言うまでもなく、市内だけでも5大学が存在し、専門技術分野を磨く高等学校、専修学校を擁し、人材育成に官民連携で取り組める自治体であります。  また、1990年代に輸入促進エリアとして指定を受け、全国有数の国際拠点港湾として輸出入の集積地として拡充が進む清水港があります。食品関連や物流産業、世界に名立たる地場産業のプラモデル産業、企業の心臓部である研究部門を併設しているマザー企業など、市外から付随、関連した企業を呼び込める業界、業種を代表する事業所が市内で稼働しています。  また、誘致成功の可否は、自治体が主体となり戦略的な取組、地域の特性に合致した事業計画とそれを実施できる企業の選択であるとも言われています。  企業訪問やニーズを捉えてのアプローチ、そうしたことによって、コロナ禍にあっても企業立地の相談も増え、立地件数も目標を上回っているようですが、その中で、市外からの企業誘致はと見ると、なかなか難しい状況であることは否めないと思います。  その要因は、受皿である用地の確保が進まないことにあるのではないかと思っております。昨日の志政会、後藤議員の代表質問にもありましたが、開発候補地の情報提供の取組は伺っておりますが、市が主体となっての候補地選定には至っていないように感じられます。  本市は新東名や、昨年静岡県・山梨県区間が開通した中部横断自動車道など広域道路ネットワークが整備され、今後、産業振興策など施策立案可能な発展し得る都市であると思いますが、まずは、2点ここでお聞きします。  企業立地の環境整備として、用地確保のために取り組んできた内容とその効果はどうか。また、その取組について、企業の動向をどのように捉え、今後どのように取り組んでいくのか、お聞きします。  関連して、企業誘致、土地利用について、市街化調整区域に関しても質問させていただきます。
     本年1月に、中山間地調査特別委員会として、市長に中山間地域の土地利用について、特区制度などを活用した規制緩和による一団の土地の創出について調査研究することの内容を含む提言書、オクシズの持続可能な発展を目指してを提出し、受理いただきました。  光回線、新東名、中部横断自動車道のスマートインターチェンジなどの新たなインフラを前面に出し、両河内でのスマートインターチェンジ周辺においては、大規模開発の推進提言をし、産業振興と柔軟な土地利用の促進を提言いたしました。  このような中、オクシズへの玄関口に位置する葵区鯨ヶ池が昭和の時代からの時を経て、ようやく都市公園として検討が進んでいると聞いております。自然と市民生活が調和するエリアとして、新たな土地利用が期待されます。  こうした市街化調整区域は、開発を抑制する区域であることは十二分に理解しておりますが、企業誘致においては、地域活性化や雇用創出に市街化調整区域の土地利用は必要であり、まとまった土地取得を望む企業ニーズに応え得る活用すべき区域かと思います。  そこで、伺います。  企業立地の受皿となる市街化調整区域の活用に向けて、どのように取り組んでいるか、お伺いいたします。  最後に、財源確保について伺います。具体的には企業版ふるさと納税についてお伺いいたします。  企業版ふるさと納税は、安定した財政基盤の確立を目指している自治体にとって、誠に貴重な自主財源の確保につながるだけでなく、企業にとっても負担を軽減しながら社会貢献に取り組むことのPRができるなど、メリットがある制度と認識しています。  この2月議会では、基金の設置条例案が議案として、また、円滑な活用促進のための予算議案が当初議案として提出されており、市としても積極的に取り組んでいく姿勢がうかがえると感じているところであります。  しかし、本市ばかりでなく全国の自治体が取り組むであろうこの制度について、私たちは本市ならではの長所を売り込む強い意志が必要であると思います。  静岡市はほかの自治体にも劣ることのない魅力的な地域資源が数多く存在しております。例えば駿河湾は陸から1キロに深海が広がる世界に類を見ない、学術的にもまだ究明されていない貴重な湾であり、多くの研究者が関心を寄せています。そのほかにも、世界遺産富士山の構成資産である三保松原、ユネスコエコパークに登録されている南アルプスなどの自然資源、加えて、弥生時代の登呂遺跡から今川氏、徳川氏の時代を経て現代に至るまでの歴史が生み出してきた文化、産業など、静岡市の魅力は枚挙にいとまがありません。  企業に全国46道府県、地方公共団体1,095市町村の中から静岡市を選んでいただくためには、こうした魅力を発信し、企業から賛同を得る工夫が必須であろうと存じます。  そこで、伺います。  企業版ふるさと納税の活用に向けた取組の現状と今後の進め方はどうか、伺います。  これで2回目の質問を終わります。 90 ◯経済局長(加納弘敏君) 企業立地に関する2点の質問にお答えいたします。  最初に、企業の立地環境整備として、用地確保のために取り組んだ内容とその効果についてですが、現在、大谷・小鹿地区において市街化調整区域を市街化区域に編入した上で、工業・物流系企業を誘致するため、土地区画整理事業を実施し、企業立地用地を生み出しております。  平成27年度からは、市内全域を対象に1ヘクタール以上の開発可能性のある用地調査などを継続的に行っており、そこに民間開発を誘導することとしております。  その結果、直近では、用地調査で抽出した開発候補地の1つである葵区の薬師地区に新たに製造、物流4社の企業立地が実現し、現在も清水区の大内新田地区に医療機器メーカーの本社工場の建設が進んでおります。  また、まとまった企業立地用地の確保が困難な本市では、令和2年4月に、本市の成長分野である食品ヘルスケア、成長ものづくりなど5分野を市街化調整区域の立地基準に追加したところでございます。  次に、企業の動向と今後の取組についてですが、用地確保の取組により、市内企業の業務拡大や点在する工場等の集約に関する立地の相談が増えてきております。  これらのニーズに丁寧に対応するとともに、今後は市外や県外から幅広く民間投資を呼び込んでいく必要があると考えております。  そこで、令和3年度は平成27年度から調査している用地を活用し企業立地を進めるため、市内外の7,000社を対象に企業の設備投資計画や本市への進出意向等を把握するための調査を実施しております。  令和4年度は、この調査結果を基に企業への積極的なアプローチを行うことで、企業立地を推進し、地域経済の活性化を図ってまいりたいと考えております。 91 ◯都市局長(宮原晃樹君) 市街化調整区域の活用に向けてどのように取り組んでいるかについてですが、市街化調整区域は市街化を抑制する区域であるため、立地基準を定め、地域の居住者が利用する公共・公益施設や店舗など、一定の要件を満たすものに限り開発を認めています。  企業立地においても、令和2年度に見直した立地基準に基づき審査し、適合した開発について許可しています。  また、都市計画マスタープランでは、インターチェンジ周辺など産業、物流のポテンシャルの高い地区の活用を掲げ、この考えに基づき、令和元年度には静岡市市街化調整区域における地区計画適用についての基本的な方針を定めました。  この方針に基づき、無秩序な土地利用を防止し、計画的で良好な開発の誘導を図っており、現在、駿河区では地区計画の制度を適用した企業立地の検討が進められています。  引き続き、企業立地については関係部局と連携し取り組んでまいります。 92 ◯企画局長(松浦高之君) 企業版ふるさと納税の取組の現状と今後の進め方についてですが、本市では、令和2年度に企業版ふるさと納税の制度を活用する前提となる地域再生計画を策定し、内閣府の認定を受けております。  令和3年度は、庁内での勉強会などを通じて、制度の理解促進と成功事例の共有を図るとともに、各局が主体となり、本市とゆかりのある企業について寄附の働きかけなどに取り組んできました。  これまでに12の企業から合計で4,000万円を超える寄附のお申出を受けることができました。  令和4年度は、さらなる寄附の獲得を目指し、PR活動の強化を図ります。  まず、本市の事業のうち、特に企業から応援したいと思っていただけそうな特色ある取組を選定し、チラシ等のツールを使った効果的な情報発信を行います。  また、民間のポータルサイトを活用し、本市の取組との親和性が期待できる企業の掘り起こしを進めます。  また、首都圏においては、本市が入居するWeWorkの会員企業を対象としたイベントの開催や、東京事務所のネットワークを生かした企業訪問のほか、市長のトップセールスなどを行い、企業との関係構築に取組ます。  あわせて、2月補正で認めていただいた、まち・ひと・しごと創生推進基金もアピールポイントとしつつ、寄附金については柔軟な運用を図ってまいります。  こうした取組により、財源の確保とともに、多くの企業との新たなつながりの創出を図り、持続可能な活力あるまちづくりを進めてまいります。   〔鈴木直人君登壇〕 93 ◯鈴木直人君 それでは、3回目、意見と要望でございます。  いろいろ当局の皆様、答弁ありがとうございました。  広域連携につきましては、山梨県までの中部横断自動車道が開通しましたので、それを契機に山梨県の市町の人たちとの交流もよろしくお願いいたします。  そして、雇用を生む企業誘致に関しまして、市内で稼働している企業の取引先や関係する企業に、市として誘致を強く働きかけるべきであるのではないかなと思います。  例を申し上げますと、地域経済を牽引するプラモデル業界が抱える今後の問題として、従来のプラスチックに代わる脱炭素社会に適応するプラモデルに適した次世代プラスチック原料が仕入先の大手化学企業でも、まだ開発段階で実用化に至っていないという問題を抱えています。  現在は、再生プラスチックを利用し、環境負荷低減に努力しているのが現状です。地域の特性に合致した事業計画を主体的に、戦略的に進め、こうした国策、国益にもつながるバイオ、先進技術開発企業、研究施設を本市に誘致し、プラモデル産業、そして、地元振興に役立てる案もいかがかなと思います。市長のトップセールスを期待しております。  また、土地活用については、改めて経済局と都市局が連携して進めていっていただきたいと思います。特に市街化調整区域の地区計画については、まとまった企業用地確保の手段としては、事実大変有効でありますので、具体的な立地希望企業を把握した上で雇用を生むこと、このことも公益性の一つであると捉え、地元の方々と協議に臨んでいただきたいと思います。  また、案件によっては、市が先行取得するなど、柔軟な考え方も一考ではないかなと思っております。  そして、先ほど御答弁いただいた中にありました大谷地区の区画整理事業につきましては、市長もかつて御労苦された巴川総合治水対策事業のために、伊東稔浩先生をはじめ、地元の皆様の寛大な御協力の上に30年以上前に始まった事業ですので、改めてワンチームで事業推進に臨んでいただきたくお願いいたします。  そして、最後の、財源確保なんですけれども、私がアドバイスを受けた話をさせていただきます。  財源確保の1つに、もう一つのふるさと納税、個人用でございます。返礼品に市内の歴史文化の史跡探訪ツアーなどを検討されたらいかがかという提案をいただきました。  事例として、豊橋市は豊橋の史跡を学芸員と共に巡るクーポン券を返礼品に適用しております。まちは劇場の施策の1つとして、例えば静岡まつり、大道芸の開催時間に合わせ、そういうようなツアーなども検討されたらいかがかなということでございますし、あわせて、ほかの地域と差別化するためには、返礼品も含む、寄附していただいた方全員に御案内だけはしてみたらいかがかなという言葉をいただいております。 94 ◯議長(鈴木和彦君) あと1分です。 95 ◯鈴木直人君(続) いずれにしても、もうちょうど時間でございます。以上で、財政基盤が強固なまちとなりますことを念願し、質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 96 ◯議長(鈴木和彦君) 次に、市川 正君。   〔市川 正君登壇〕 97 ◯市川 正君 通告に従って質問いたします。  大項目1、防災・減災対策について伺います。  中項目、流域治水について。  近年、線状降水帯、こういう言葉を耳にすることが多くなりました。日本では毎年のように甚大な豪雨が発生し、大きな被害を与えています。西日本豪雨災害や台風21号など、風水害の激甚化は地球規模での気候変動が影響している、このことは否定できません。  本市においては、平成15年、16年の豪雨による浸水被害を契機に浸水対策を目的とした静岡市浸水対策推進プランを策定して、平成17年度から取組を始め、その後の大きな降雨に一定の効果があった、このように伺っています。  一方、政府の令和2年7月の社会資本整備審議会答申では、21世紀の気温を20世紀末に比べて2度上昇までに抑えたとしても、降雨量は約1.1倍、洪水発生頻度は約2倍と試算しています。  昨年5月に流域治水関連法が公布され、これまで河川の治水対策はダムと堤防による洪水防止対策が主流でしたが、これに加えてダムの事前放流、そして、遊水地や雨水貯留施設の整備、浸水地域の開発規制など、集水域と河川、氾濫域を含む流域全体のあらゆる関係者で被害を軽減させていく流域治水対策へと方向転換されています。  言ってみれば、洪水防止について、以前の線の対策から面の対策へと切り替えるものであると、私なりに解釈しております。  昨年9月議会では、流域治水の考え方に基づき、氾濫をできるだけ防ぐ、減らすための対策、被害対象を減少させるための対策、被害の軽減のための対策の3つで構成された流域治水プロジェクトが始動したとお聞きしました。  国が管理する一級河川安倍川や県が管理する二級河川巴川の流域治水プロジェクトにおいては、市は支川の管理者として本川の負担軽減のため──本川というのは安倍川とかいうものですね、こういったところの負担軽減のための役割を果たしていくことが必要であると考えています。  そこで、市の管理河川における流域治水の取組状況はどのようになっているのか、お伺いします。  次に、雨水貯留浸透施設について伺います。  近年の都市化の進展により、昔、田んぼや畑だったところが住宅やオフィスビル、工場などに開発され、都市部となった地域がたくさんあります。  都市の進展は、本市の経済活動が活発になったあかしではありますが、一方で、田んぼや畑などは雨水を貯留したり浸透させる役割を持っていた土地であり、それが都市化とともに減少していくことも事実であります。  本市においても、巴川流域の総合治水対策や静岡市浸水対策推進プランの取組の中で、雨水流出抑制対策を講じている、このように聞きました。今後の気候変動の影響で短時間降雨量が増大し、これまでよりも雨水が河川へ流れやすくなる、増水する河川の影響や比較的低地となっている地域の浸水被害、これが大変心配されます。  したがって、雨水流出を抑制し、浸水被害を軽減する効果が期待できる雨水貯留浸透施設をこうした地域に構築することが効果的であり、従来の河川整備と併せて浸水被害を軽減させる不可欠な対策と考えております。  そこで、市の雨水貯留浸透施設の公園や学校施設等への整備状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。  次に、河川の維持管理について伺います。  これまでも見てきましたように、全国で河川の氾濫被害が増大しています。河川の維持管理は防災・減災を進める上で非常に重要です。  令和元年の信濃川流域の氾濫被害、これは記憶に新しいところですが、後の検証記事等を見てみますと、河道の掘削は計画的に行われていた。しかし、堤防の決壊区域では、計画が後回しになっていたところのようであります。  1つの事例として、国の管理河川である一級河川安倍川についても、堆積土砂の増大、そこに流れ込む市管理河川との合流部においては、土砂の堆積により流れの停滞が見られます。地域住民からは、豪雨時の氾濫を心配する声がたくさん寄せられております。  流域に降った雨をくまなく集水し安全に流下させる、このためには、土砂の堆積や樹木の繁茂で流れが妨げられないよう適切に維持管理されなければなりません。国の管理河川だけでなく県の管理河川の影響を受ける河川やその他の小河川においても同様に、本川管理者との連携を図るとともに、日頃から堆積土砂の撤去などの速やかな対応を進め、健全な河川の状態を保つよう維持管理に努める必要があると考えております。  そこで、市が管理する河川において、堆積土砂の撤去等はどのような対応をされているのか、お伺いいたします。  次に、洪水ハザードマップについて伺います。  ハザードマップ、それは、その地域に暮らす人たちが気象情報によって、時にどのように避難したらいいのか、これを分かりやすく平面上に書き表したツールでもあります。  防災・減災の話題となれば、必ずと言っていいほどハザードマップが取上げられますが、本市には洪水、土砂災害ハザードマップと内水ハザードマップの2系統があります。その点で見てみても、市民にしてみれば、洪水も内水も同じ氾濫危険との認識でしょう。  気候変動により、降雨量の変化率1.1倍、洪水流量1.2倍となった場合に、これらハザードマップの更新が必要になるのではないでしょうか。また、今のマップが想定最大規模の洪水、浸水、高潮などに対応して最悪の状況を考えるというのはもちろん必要なことですけれども、どのような状況のときにどのような被害が起こり得るのか、どのように避難すべきかを明らかにすることも必要ではないでしょうか。  洪水ハザードマップの整備状況はどのようになっているのか、伺います。  続いて、大項目の2、学校施設の環境整備について伺います。  快適な教育環境の整備について。  まず、学校は子供たちが安心して学び、人格形成をしていく大切な場であり、同時に大規模災害時には地域の避難所として被災した住民のよりどころとなる施設でもあります。  学校施設を指定避難所として指定していることから、その環境を整えることは喫緊の課題でもあります。普通教室へのエアコン設置、これは完了したことから、今後特別教室や体育館への空調設置を求めるものであります。  猛暑時であっても、仮に避難が長期化したとしても、住民が健康を保ち生活できることは、災害復興、復旧にとって欠かせません。  普通教室のエアコン使用は、夏、6月から9月で、室温28度以上のとき設定を28度、冬、12月から3月で、室温が17度以下のとき設定を18度と聞きました。  温度管理や使用時間帯など、おおむね全国的統一基準ではないかと推察しますけれども、コロナ感染症対策で窓を開けての換気が行われていて、期待どおりの温度設定も難しいのではないかと推察します。  1~2階はともかく、最上階は屋上の輻射熱で設定値に届かないとの声も聞きます。こうした階では柔軟な運用をしていくことも含めて、これまでの施策の検証も大事であります。  そこで、伺います。  小中学校の普通教室で空調設備の設置が完了していますが、稼働後の子供たちの健康状況及び空調設備設置の効果はどうだったか、お伺いしたいと思います。  以上、1回目とします。 98 ◯建設局長(海野 強君) 流域治水の取組状況、雨水貯留浸透施設の整備状況、堆積土砂の対応の3つの質問についてお答えします。  1つ目の市の管理河川における流域治水の取組状況についてですが、市内を流れる主要河川である、国が管理する一級河川安倍川や県が管理する二級河川巴川においては、議員御発言のとおり、既に流域治水プロジェクトが策定されております。  このプロジェクトにおける市の取組は、雨水の流出を抑制し、河川の負担を軽減させる雨水貯留浸透施設などの整備について検討、実施していくこととしております。  また、市の管理する二級河川浜川においては、流域治水を着実に進めるよう、浜川水系流域治水プロジェクトの策定を進めており、県と市が一体となった静岡地域流域治水協議会において対策内容や関係者の役割及び実施スケジュールなどを諮り、令和3年度中に完了する見込みです。
     2つ目の雨水貯留浸透施設の公園や学校施設等への整備状況についてですが、まず、雨水貯留浸透施設とは、雨水を直接地下に浸透させるものや、地表や地下に一時的に貯留し、河川や下水道への放流を遅らせることによって、雨水流出のピーク量を減らすものでございます。  本市における雨水貯留浸透施設の整備状況は、現在までに巴川流域の総合治水対策や静岡市浸水対策推進プランなどの取組により、主に学校のグラウンドなど地表面に雨水をためる構造になる表面貯留施設の整備が行われてきております。  現在整備された施設数は、公園に80施設、学校に57施設、その他、遊水地などに52施設、合わせて189施設において整備が完了しております。  3つ目の市が管理する河川の堆積土砂の撤去等への対応についてですが、現在、本市では、総数2,173、総延長約1,500キロメートルに及ぶ河川と、これ以外にも数多くの水路を管理しております。  これらの施設における堆積土砂や支障木の除去について、限られた予算の中、緊急性や必要性などから優先順位を決め、地元と調整を行いながら、順次業務を進めております。  その中でも、国、県が管理する河川に合流し、影響を受けやすい重要河川は、年2回の定期的な河川パトロールを実施し、経年変化を含めた河川状況の把握を行い、必要に応じて堆積土砂等の除去を実施しております。  また、安倍川などの本川の土砂堆積に起因し、市管理河川に流れの停滞などが確認された際は、その原因となる堆積土砂の除去などについて、本川管理者に対応を要望しております。  今後も、水災害から市民の皆さんの生命と財産を守るべく、健全な河川の維持管理に努めてまいります。 99 ◯危機管理統括監(梶山 知君) 洪水ハザードマップの整備状況についてですが、本市では、平成27年の水防法改正により、従来の想定をはるかに超える最大規模の降雨に対応した洪水浸水想定区域図に基づき、指定されている10河川の洪水ハザードマップを整備しております。  また、令和3年の水防法改正により、円滑、迅速な避難確保等を図る必要のある河川が指定対象に追加されたことから、現在、河川管理者が新たな河川の洪水浸水想定区域図の作成に着手しているところです。  本市としては、この洪水浸水想定区域図が作成され次第、区域図に基づく洪水ハザードマップを速やかに作成し、市民の皆さんに向けた災害リスクの周知に取り組んでまいります。 100 ◯教育局長(青嶋浩義君) 小中学校の普通教室に空調設備を設置した効果等についてですが、小中学校の空調設備については、令和2年度中に全ての学校の普通教室に設置が完了しました。  令和3年度においては、新型コロナウイルス感染症対策のため、窓を開け、換気を取りながらの運転となりましたが、普通教室内で熱中症により体調を崩した児童生徒はいないとの報告を受けております。  また、児童生徒からも勉強に集中できるといった声があり、教育環境の向上に大きな効果を上げることができました。   〔市川 正君登壇〕 101 ◯市川 正君 では、2回目の質問に移ります。  まず、流域治水について改めてお伺いしますが、流域治水プロジェクトにおいて、雨水流出抑制対策を検討、実施していくとのお答えでございました。  市では、これまで浸水対策推進プランにより基幹施設対策、雨水流出抑制対策、超過降雨──予定よりも多く降った雨ですね、超過降雨への対応の3つの対策を進め、一定の効果を得たとしています。  しかし、さきの流域治水関連法により、流域治水の考え方が示され、今後は本市においても雨水流出抑制の取組を加速して、将来を見据えた浸水対策を進めていくことが求められます。  したがって、特に流域治水プロジェクトを実施していく中で、市の役割として雨水流出抑制対策──雨水をためる対策に力を入れるべきと考えます。  そこで、市は流域治水における雨水流出抑制対策をどのように進めていくのか、お伺いしたいと思います。  次に、雨水貯留浸透施設について、改めてお伺いします。  これまでに多くの公共施設で雨水貯留浸透施設の整備が完了しているとお答えいただきました。都市部には多くの学校や公園などの公共施設が立地していることから、公共施設への雨水貯留浸透施設の整備は流域治水の取組として効果的であると考えております。  加えて、今後の気候変動による雨の降り方の変化等を踏まえますと、過去に河川改修や下水道整備などの浸水対策を講じてきた地区を含めて、これまで以上に対策を進めていくべきではないでしょうか。  そこで、市の雨水貯留浸透施設の整備は今後どのように進めていくのか、お伺いしたいと思います。  次に、学校施設の環境整備の中の学校体育館への空調設備整備についてお伺いいたします。  先ほど普通教室の検証結果を伺いました。それなりの効果が認められるとの結果でありました。毎年のように市民や教職員から学校体育館にもエアコンを設置してほしいという要望が出されております。これは、昨今の猛暑などを鑑みますと、子供たちの命に関わり、保護者や教職員をはじめ、全市民的な、緊急で切実な要望でもございます。  こうした声を受け、近隣自治体では、名古屋市や岐阜市が授業や部活動時の熱中症対策や避難所の環境改善を図るため、令和5年度までに体育館への空調設備整備を進めています。  私は、学校体育館への空調設備の設置は、子供たちの健康を守り、教育環境を整えることを第一としつつも、地域防災、被災の際の避難所整備の重点課題として検討し、早い時期に設置完了することが必要と考えております。  伺います。小中学校体育館での空調設備の設置状況及び子供たちの健康状況はどうか。また、指定都市における学校体育館への空調設備の設置状況はどのようか、お伺いいたします。  以上、2回目です。 102 ◯建設局長(海野 強君) 流域治水における雨水流出抑制対策と雨水貯留浸透施設の今後の整備の2つの質問についてお答えします。  1つ目の市は流域治水における雨水流出抑制対策をどのように進めていくのかについてですが、従来から浸水被害が多い地域を対象に、本市では雨水流出抑制対策を巴川流域地区、下川原地区、登呂地区の3つの地域を重点地区として進めております。  近年の気候変動による雨水流出量の増加へ対応するよう、市中心部を流れる安倍川や巴川の流域などで流域治水プロジェクトが策定されており、浜川流域においてもプロジェクトの策定を進めていることから、今後、雨水流出抑制対策をこれらの流域へも展開していき、より一層の流域治水を推進してまいります。  2つ目の市の雨水貯留浸透施設の整備は、今後どのように進めていくのかについてですが、今後は、流域治水プロジェクトを実施するエリアにおいて、地域住民や関係機関などからプロジェクトに対する理解と協力を得ながら、雨水貯留浸透施設の整備可能な箇所の調査、選定を進めてまいります。  令和4年度は二級河川浜川の流域治水プロジェクトの策定に合わせ、中島小学校のグラウンドに雨水を地表面にためる雨水貯留浸透施設を整備し、巴川流域の北才光寺公園においても、地下空間を利用して、公園周辺に降った雨水もためることのできる雨水貯留浸透施設を整備します。  引き続き、水災害から市民の皆さんの命と財産を守るべく流域治水に取り組んでまいります。 103 ◯教育局長(青嶋浩義君) 小中学校体育館への空調設備設置状況等についてですが、本市の小中学校の体育館では、現時点において空調設備を設置しておらず、気候が厳しい時期の授業や行事などについては、空調設備が設置された教室を活用しているところです。  子供たちの健康状況については、令和3年度、体育館において熱中症により体調を崩した児童生徒の報告は3件となっております。これらは連続した運動や換気不足などが一因であると捉えており、対策としまして、小まめな水分補給や暑さ指数測定装置の配置、送風機の導入などにより、改めて熱中症対策の徹底を図っているところです。  次に、指定都市における小中学校体育館への空調設備の設置状況ですが、本市を含め20市中15市で設置事例がなく、設置している5市においても一部の学校のみに設置されている状況であり、指定都市における全体数4,271校のうち設置校は144校で3%余りとなっております。   〔市川 正君登壇〕 104 ◯市川 正君 それでは、3回目は要望・意見とさせていただきます。  新年度になれば、すぐ梅雨の時期にもなります。昨年の熱海、伊豆山で発生した土石流被害は、人ごとでは済まされない大きな衝撃でした。  こうした各地で繰り返される豪雨による過酷な被害を目の当たりにして、防災・減災対策に強い意識で取り組むことを求めます。  中でも、市内の各地で浸水常襲地とも言える箇所も見られます。こうした地域の被害を抑制するためにも雨水貯留浸透施設の効果的な整備を進めるべきだと考えております。  また、災害の際、指定避難所となる学校体育館への空調設備を急いで整備することを求めます。  21年度の静岡市の夏場の月別最高気温を見てみますと、6月が29.6度、7月36.3度、8月35.4度、9月は33.5度となっております。これは気象庁発表分でありますから、炎天下のグラウンド上、あるいは直射日光にさらされた学校屋上の環境下では、もっと過酷だったのではないかと思われます。  本市の場合、教育関係者や保護者からの要望も踏まえて、全教室への設置は完了しておりますけれども、子供たちの学びの環境はよくなってきました。しかし、特別教室や体育館へは未設置であります。  市の取組状況についていろいろとお聞きしたところですが、子供たちの命を守ることと避難所としての環境を改善する、この両サイドの視点が欠けているように私は感じたところでございます。  子供たちの命を守るためにも、何としても学校体育館への空調設置を求めたいところですが、なかなか視点として縦割り行政による負の面があって、教育と危機管理などでは壁を越えて住民目線での行政運営を要望しておきたいと思います。  学校の体育館は、屋内運動場として炎天を避ける真夏の体育授業に欠かせない、同時に災害のときには地域の避難所も兼ねることから、学習環境を整え、命を守る地域のよりどころとして、これまでの震災や災害の教訓からもエアコンの設置は喫緊の課題であります。  市内体育館は、避難所として使われることから、夏場の環境整備として21年ですかね、省エネ型のウインパネルエアコンというのが清見潟体育館だとか長田体育館にも設置されました。  こうしたエアコン設置費用は、学校体育館の場合、約4,000万円から6,000万円ほどかかると言われています。総務省の支援制度、緊急防災・減災事業債を活用できて、実質的な地方負担は30%ということですので、学校体育館1つにつき1,200万円から1,800万円でつけられるということで、自治体財政にとっても大変有利な制度となっています。  本市としても、教育と防災の両面から命を守るという明確な方針の下に早急な整備計画を策定されるよう改めて要望して質問を終わります。ありがとうございました。    ─────────────────── 105 ◯議長(鈴木和彦君) 本日はこれにて延会いたします。         午後3時58分延会    ─────────────────── Copyright © Shizuoka City, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...